分析化学
Print ISSN : 0525-1931
原子吸光分析法によるアルデヒド類の間接定量
三井 利幸小島 次雄
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1977 年 26 巻 3 号 p. 182-186

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抄録

原子吸光分析法による有機物の間接定量に関する研究の一環として,アルデヒド類の定量法を検討した.
本法はアルデヒド類のメチルアルコール溶液に,アンモニア性硝酸銀溶液を加え蒸留水で全量を10mlとし,これを1時間静置した後生成した銀を濾別し,濾液中の未反応銀(濾液法),あるいは沈降した銀(沈殿法)を原子吸光分析法で測定し,間接的にアルデヒド類を定量した.繰り返し精度は,ベンズアルデヒド1.231mgを用いた濾液法で標準偏差0.010mg,変動係数0.89%,ベンズアルデヒド0.620mgを用いた沈殿法で標準偏差0.010mg,変動係数1.80%であった.
共存物質のうちCa2+,Mg2+,Fe3+,Pb2+,Cu2+,Ni2+,Co2+,o-,p-アミノフェノール,レゾルシン,ベンゾイン,ベンジルは回収率に影響を示したが,金属イオンについては妨害の除去が可能であった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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