分析化学
Print ISSN : 0525-1931
キサントゲン酸カリウム類-メチルイソブチルケトン溶媒抽出を利用する銀の原子吸光分析
相原 将人木卜 光夫
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 26 巻 8 号 p. 559-563

詳細
抄録
キサントゲン酸カリウム類(エチル-,プロピル-,ブチル-,アミル-,ベンジル-)をキレート剤とする溶媒抽出法を利用した銀の原子吸光分析について,基礎的諸条件を詳細に調べた.銀は,キサントゲン酸カリウム類と1:1の錯体を生成し,pH5.5~9.5のpH範囲でメチルイソブチルケトン(MIBK)中に定量的に抽出され,抽出化学種は少なくとも90分間は安定であった.共存イオンの影響は,著しい干渉を示すものは無く,特にハロゲンイオンについては添加濃度を増して調べたが影響はみられなかった.本法による10回繰り返し定量値より算出した変動係数は1%程度であり,最も良い結果を得たベンジルキサントゲン酸カリウムを用いて人体臓器(肺,肝,じん,すい)中の銀の定量に応用したところ,満足すべき結果を得た.
著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top