分析化学
Print ISSN : 0525-1931
4-カプリル-3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロンを用いる鉛の溶媒抽出-原子吸光分析
赤間 美文中 英昭中井 敏夫河村 文一
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1978 年 27 巻 11 号 p. 680-683

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抄録

4-カプリル-3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロン(CMPP)は水に不溶性の安定なキレート剤である.各種金属イオンはCMPPと反応し有機溶媒に抽出できる.そこで,このキレート剤を用いる鉛の溶媒抽出-原子吸光分析法について種々検討した.鉛はpH6~11で定量的に抽出される.従って,亜鉛,銅中の微量鉛を抽出する場合,アンモニア水を用いてpHを10付近に調整すればこれらのマトリックスをアンミン錯塩としてマスキングできる.この外にカドミウム,ニッケルなども鉛の抽出に影響しないことが分かった.本法は,アンミン錯塩を形成する単一成分試料に対して有効である.
本法を高純度亜鉛,高純度銅中の微量鉛の定量に応用し満足な結果を得た.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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