1978 年 27 巻 6 号 p. 321-325
メラミンの加水分解によって生成されるアンメリン,アンメリド及びシアヌル酸と,メラミンとを組み合わせた混合試料について,サブリマトグラフィーによる分離性を検討した。分離した各成分は紫外吸収スペクトルによって確認した.
上述の四つの化合物は昇華性の難易はあるが,いずれも融点以下の加熱温度(310℃)で,(10-2~10-4)mmHgの減圧で分解することなく昇華する.従って,それぞれの単独のVCP(vacuum condeming point)をまず測定し,それらのVCP値に基づいて混合物の分離を行った.
市販の工業用メラミンの中には上述の不純物が微量混在することがあり,メラミン品質への障害因子の一つになっているが,本法によって少量(50mg)の試料を用いてこれらの不純物を分離確認し,おおよその存在量を知ることができた.又,本法によって分離精製されたメラミンは高純度試料として使用できることが分かった.