分析化学
Print ISSN : 0525-1931
77mSeを用いた放射化分析法による生体試料中のセレンの定量
平井 昭司鈴木 章悟岡本 真実
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1978 年 27 巻 7 号 p. 435-440

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抄録

半減期17.5秒の77mSeに注目して,機器的放射化分析法により生体中のセレンを定量する方法について検討した.セレン標準試料を用いて照射及び測定に関する再現性を検討したが,(4~5)%の変動係数で一定の照射・測定が行えることが判明した.又解析に用いた半減期補正式についても,セレン量,計測時間,冷却時間を変えて検討したが,使用に際し有効であることが分かった.NBS生体標準試料(Bovine Liver)を用いて本分析法で定量したところ,(1.07±0.11)μg/gを得た.更にこの方法を動物臓器試料,魚試料に適用し分析を行った.1試料に要する分析時間は約2分間と非常に短く,迅速な日常分析が行える.以上のことから,本分析法により迅速な,精度良いセレン分析が行えることが明らかとなった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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