1979 年 28 巻 1 号 p. 43-47
モリブデン酸形陰イオン交換樹脂を用いて水中の微量リン酸イオンを捕集した後,その樹脂を還元剤溶液で処理して得られた青色樹脂の吸光度(測定波長:705nm)を測定して,微量リン酸イオンを定量する方法を検討した.pH2~9,及び(0.2~1)M塩酸酸性溶液から,リン酸イオンは樹脂に捕集され,いずれも一定の吸光度を示したが,後者の場合のほうが幾分感度がよい.25mlの試料水に0.5gの樹脂を加えて20分間浸せき,かくはんしたとき,(0.1~1.0)ppmのリンが定量できる.液量を1000mlにすれば,ppbオーダーのリンが検出できる.還元剤には,アスコルビン酸-酒石酸アンチモニルカリウム-硫酸の混合溶液を使用した.