分析化学
Print ISSN : 0525-1931
ジルコニウム形陽イオン交換樹脂カラムを用いた天然水中の低濃度フッ化物イオンの濃縮
國分 信英小林 稔季山崎 昶
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1980 年 29 巻 2 号 p. 106-109

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抄録

イオン電極法による測定下限に近い濃度のフッ化物イオンを含む天然水試料のフッ化物イオンの定量のための前濃縮法として、ジルコニウム(IV)を吸着させた陽イオン交換樹脂カラムによるイオン交換吸着法を検討した.従来の加熱濃縮一蒸留法に比べてはるかに簡便である.塩化物イオンや硝酸イオンの共存もほとんど影響せずにフッ化物イオンのみの濃縮を行うことができる.アルミニウムイオンはフッ化物イオンと同時に吸着され,大量に存在すると測定時にマスキングできなくなるため妨害となる.実際の天然水試料についての結果をも示した.0.02ppm F-程度の天然水試料については,回収率は(95±5)%となる.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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