分析化学
Print ISSN : 0525-1931
8-アセトキシキノリンを含む均一溶液から鉛オキシネート沈殿の生成速度
滝山 一善石井 裕子鎌田 育子
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1981 年 30 巻 11 号 p. 720-722

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抄録

8-アセトキシキノリンを含む均一溶液から鉛オキシネート沈殿を生成しその生成速度を求めた.鉛溶液にクエン酸ナトリウム-ホウ酸ナトリウム緩衝液を混合してpH9とし,8-アセトキシキノリンを加え,反応液中に残存する鉛イオンの濃度を測定して鉛オキシネート沈殿の生成速度を求めた.鉛オキシネートは反応開始後(10~15)分までは順当に析出量が増加するが,その後一時的に沈殿量が減少した後再び8-アセトキシキノリンの加水分解の進行につれて沈殿の析出が続いた.鉛オキシネート沈殿はまず六角形板状結晶として析出し,これが部分的に溶解していき針状結晶として再析出する.この過程が生成速度の異状として現れたものである.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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