抄録
鉄鋼の応用範囲拡大を目的とし,通常鉄鋼に含有されていない元素を添加して内標準元素とする方法について実験した.プラズマ中における各元素の挙動は測定条件によりそれぞれ異なるが,分析線がイオン線か中性線かによりその挙動は類別できる.従って,内標準元素は類別されたグループの中より選ぶ必要がある.鉄鋼の多元素同時定量を目的とし,内標準元素を一つに限定する場合は,イットリウム,コバルト,アンチモン,セリウム,アルミニウムの順で良い結果が得られ,なかでもイットリウム,コバルトで良い結果が得られた.この方法は定時間積分より優れ,鉄量の異なるあらゆる鋼種に応用できる.