分析化学
Print ISSN : 0525-1931
銅-カドミウムカラム法による水中の全窒素定量におけるカラムの目詰まり
中村 栄子並木 博
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1987 年 36 巻 2 号 p. T5-T8

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抄録

銅-カドミウムカラム還元法による水中の全窒素の定量において,カラムの目詰まりを生じることがある.その原因を検討したところ,高アルカリ性,120℃での前処理の過程で,容器として用いたガラス瓶からシリカが溶出し,硝酸イオンの還元のため前処理後の溶液のpHを8.5にすると,その一部がコロイド状となるためであることが分かった.前処理で溶出するシリカは250~350mg/l(前処理後の溶液を100mlに希釈した後の濃度で)であり,pH8.5の溶液中ではイオン状で安定に存在できるシリカ濃度は約200mg/lで,これ以上のシリカは時間の経過とともにコロイド状に変化しこれが目詰まりの原因となる.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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