分析化学
Print ISSN : 0525-1931
高速液体クロマトグラフィーによる軟こう中の副じん皮質ホルモン及びパラベンの同時定量
前田 有美恵小和田 和宏山本 政利佐野 智子増井 俊夫中澤 裕之
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1988 年 37 巻 12 号 p. 648-653

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抄録

HPLCにより,軟こう中の11種類の副じん皮質ホルモン及び4種類のパラベンを一斉分析する方法を確立した.試料の前処理として,軟こう中の基剤を除去するためにディスポーザブルのSep-Pakシリカゲルカートリッジを用いたクリーンアップを行った.HPLCの条件は,カラム:Inertsil ODS-2,移動相:水/メタノール系,検出波長:UV 24nm(副じん皮質ホルモンの極大吸収付近)とそれぞれ設定することにより,良好な分離が得られた.定量はs-ブチルパラベンを内標準物質として用いる内標準法により行った.検量線は副じん皮質ホルモンについては2~100μg/ml,パラベンについては1~50μg/mlの濃度範囲でいずれも原点を通る良好な直線性を示した.添加回収実験の結果は回収率,精度ともに良好であった.本法は簡便な前処理により副じん皮質ホルモン及びパラベンを迅速・正確に一斉分析できることから日常分析法として有用な方法である.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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