1955 年 4 巻 1 号 p. 21-25
1.Ethylendiamine-NH4 tartrate溶液による錯イオン形成による分離
2.Triethanolamine-NH4 tartrate溶液による錯イオン形成による分離
さきに電気クロマトグラフ法第4報1)として,NH4OH-NH4 tartrate溶液によって混合陽イオンの錯塩を形成せしめると,錯基が正に帯電する錯塩(アムミン錯塩と推定)と錯基が負に帯電する錯塩(酒石酸錯塩と推定)とが生じ,混合陽イオンを濾紙の原点を中心として,陽陰両極に分離し得,極めて分離能が増大して,いわゆる電気クロマトグラフ法の特色を発揮することができることをのべた.本報においては,これと同じ目的でNH4OHの代りにEthylendiamineおよびTriethanolamineを用いて陽イオンの分離をおこない,それぞれ異った分離状況を得たので報告する.錯