分析化学
Print ISSN : 0525-1931
クレゾールレッドを用いた二酸化塩素の吸光光度定量
渡辺 卓穂林 長青陳 叔銘吉村 吉博内山 一美大沢 敬子今枝 一男大谷 良樹田村 宏平
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1991 年 40 巻 8 号 p. 373-376

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抄録

pH指示薬であるクレゾールレッドは可視部に吸収を示すが,二酸化塩素により酸化され可視部の吸光度の減少が認められる.そこでこの酸化による可視部の吸光度減少を利用し,二酸化塩素の定量を行った.クレゾールレッドと二酸化塩素の反応におけるpHの影響は,1.0-3.0では吸光度が徐々に減少し,pH4.0以上では吸光度が増加し,不安定であったため,pH3.0を用いた.又吸光度測定時において,pH12.0以下では感度が悪いためpHは13.0とした.本法は二酸化塩素0.004-1.36ppmの範囲で各種イオンの妨害を受けることなく定量できた.定量下限は4ppbと他の方法に比べて高感度であり,簡便であった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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