分析化学
Print ISSN : 0525-1931
イオンクロマトグラフィーによるクリーンルーム中の微量アンモニウム及びアルカリ金属イオンの定量
橋本 芳美岡田 章
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1994 年 43 巻 1 号 p. 89-92

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抄録

超LSI製造クリーンルーム内のアンモニウム及びアルカリ金属イオンのイオンクロマトグラフィーによる同時分析を検討した.バックグラウンドの低減や高感度化のため,溶離液除去システム用再生液及び溶離液の流量を検討した.その結果,再生液には40mM水酸化テトラメチルアンモニウムで流量10ml/min,溶離液は25mM塩酸-0.25mMジアミノプロピオン酸塩酸塩で流量1.0ml/minを用いることが最適であった.本法による検出限界は,NH4+:10ppb,Li+:2ppb,Na+:5ppb,K+:10ppb,相対標準偏差はNH4+:0.67%,Li+:0.96%,Na+:0.99%,K+:0.54%,と感度かつ精度において十分満足できる結果が得られた.又,実際のクリーンルーム環境分析を検討したところ妨害ピークもなく,ppbレベルの微量アンモニウム及びアルカリ金属イオンの同時分析法として有効な方法であることが分かった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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