分析化学
Print ISSN : 0525-1931
重金属汚染環境指標生物としてのトビケラの評価
相沢 省一角田 欣一赤塚 昌義井上 定夫赤岩 英夫
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 43 巻 11 号 p. 865-871

詳細
抄録
河川に生息するトビケラの幼虫に含まれる重金属元素をAASで定量し,重金属汚染環境指標生物としての同水生昆虫の評価を行う目的で,試料分解法をはじめ個体間の元素含量差,体長と元素含量との関係,季節による元素含量の変動等を検討した.確立した分析法により北関東地方数河川に生息するトビケラ幼虫中の重金属元素を定量した結果,上流域に廃鉱山を持つ渡良瀬川や桐生川では他の河川に比較して銅やマンガン等がトビケラ幼虫に多量に含まれており,同昆虫が重金属汚染環境指標生物として有用であることが明らかとなった.
著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top