分析化学
Print ISSN : 0525-1931
誘導結合プラズマ質量分析法による考古学試料の鉛同位体比測定法の検討
松岡 信明川村 秀久佐伯 國夫小池 正実百島 則幸岡部 裕俊
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1996 年 45 巻 2 号 p. 201-206

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抄録

ICP-MSによって青銅鏡の鉛同位体比を測定する場合の正確さ及び精度について検討した.鉛濃度13μgl-1の鉛同位体比標準溶液(NIST-SRM-PB-981)の分析結果から,1試料について10回のICP-MS分析を行うと相対標準偏差0.2~0.3%で207Pb/206Pb及び208Pb/206Pb比を測定でき,鏡試料の同位体比をNIST-SRM-PB-981に規格化するための補正係数が得られることが分かった.青銅鏡のさびを前処理して得られた鉛濃度20~30μgl-1の1M硝酸溶液中の鉛同位体比の10回測定の相対標準偏差は0.2~0.4%で,標準試料と同時に分析すれば,NIST-SRM-PB-981で規格化された鉛同位体比を得られることが分かった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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