分析化学
Print ISSN : 0525-1931
マイクロマシニング技術を用いる石英及びガラス製電気泳動チップの作製とそれらの基本特性評価
中西 博昭阿部 浩久西本 尚弘荒井 昭博
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1998 年 47 巻 6 号 p. 361-368

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抄録

マイクロマシニング技術を用いて,石英基板及びガラス基板上に電気泳動用のキャピラリーを形成した電気泳動チップを作製する技術を開発した.今回,作製・評価した電気泳動チップの大きさは11mm×28mm×t1.5mmであり,幅50μm×深さ20μmの2本の流路を形成した基板と,泳動液のリザーバーを形成したカバープレートを直接接合することで形成している.石英チップの接合には,室温にて接合可能なHF水溶液を用いた接合技術を応用した.更に,作製した電気泳動チップを用いて,印加する電圧の制御で数十plという微量なサンプルを定量的に簡便に導入できること,熱の放散特性が優れ秒オーダの高速分析が可能なこと,分離長17mmにおいて理論段数は約2500段であることなどを確認した.又,ウェハー単位で作製した石英製チップの分離特性のばらつきは,約2%(歩留まり58%)であった.石英製チップは,応用範囲の広い紫外光の吸光度検出が利用できる.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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