分析化学
Print ISSN : 0525-1931
フラボノールによるウランの定量
金属有機錯化合物の分析化学的研究(第7報)
菅野 卓治
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1959 年 8 巻 11 号 p. 714-717

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抄録
フラボノールはウランと黄色の錯化合物をつくり,TBPによくとける.この錯化合物は400~415mμに平らな山をもった吸収帯をあたえる.これを用いてウランを定量する場合,水層のpHを6.0~7.0とし,有機層(TBP-ノルマルヘキサン1:1)中のフラボノールの濃度を8.4×10-4mol/l以上とすれば一定の吸光度が得られた.それゆえ定量はフラボノールを1.3×10-3mol/lとして行った.この条件で得られる検量線は410~450mμで少なくとも12γ/mlまではベールの法則にしたがい,分子吸光係数として28,700を得た.これはケルセチンスルホン酸法の約1.6倍,ジベンゾイルメタン法の約3倍である.定量の際は30%硝酸アンモニウムを含む溶液からTBP-ノルマルヘキサン(1:1)溶媒でウランを抽出分離したのち発色すればよい.
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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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