日本物理学会誌
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中性子星とブラックホール : 相対論的天体物理学入門(<特集>発展し続ける一般相対論-時空論の起承転"望"-)
中村 卓史
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2015 年 70 巻 2 号 p. 103-110

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抄録

中性子星が発見された歴史的経過からはじまり,最近,質量が太陽質量の約2倍の中性子星の発見が核密度を超える高密度の状態方程式に及ぼした影響と今後の研究の方向を議論する.次に,歴史的なブラックホール候補の発見からはじめて現在の様々なブラックホール候補の質量の決定方法,質量分布や赤方偏移分布にも触れる.最後にブラックホール候補がブラックホールと確実に言えるには重力波の観測が重要であることを示す.その結果,アインシュタイン理論が強い重力場でも成り立っているかどうかが近い将来に判明するであろう.

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© 2015 一般社団法人 日本物理学会
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