日本物理学会誌
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分散性媒質中の非線形波動 : Korteweg-de Vries 方程式を中心として
角谷 典彦
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1972 年 27 巻 1 号 p. 7-19

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抄録
浅水重力波の問題に関連して, Kortewegとde Vriesが今日彼らの名で呼ばれる非線形方程式を導いたのは実に前世紀末の1895年のことである. 以後約3/4世紀の長きにわたり, この方程式はほとんど注目されることがなかった. それがここ数年の間に, にわかに脚光を浴び, 非線形波動現象を記述する一方の主役を演じるに至った謎は何であろうか? 今や流体屋はもちろんプラズマ, 格子振動させては素粒子に至る多くの物理屋と, 少なからぬ数学者の目がこの簡単な方程式集まっている. この小論は, この謎に対する著者なりの一つの答案である.
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© 社団法人 日本物理学会
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