日本物理学会誌
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日本における雪の研究とその展望
黒岩 大助
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1976 年 31 巻 10 号 p. 756-764

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抄録

日本における雪氷研究の先駆者であった故中谷宇吉郎の仕事が, この国の雪氷学の発展にどのような影響をあたえてきたかについて解説した. 中谷宇吉郎は外国の著名な学者の研究をいち速く日本でまねることによって安心する学者ではなく, また, 物理学の主流から外れているようでも常に独創的な分野を開拓した学者である. 来日する外国の雪氷学者はこの国の雪氷研究者の数の多いのに一様に驚く. そして日本の雷氷学はもう中谷の名前を知らない若い世代によってすすめられようとしている. この一文は物理学を志す若い人々に雪氷の研究はもはや "探検" というロマンの時代は終り, 近代物理学の研究対象としても十分面白いものであることを理解していただけることを期待して書いた.

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