抄録
ランダム磁性体を Ising spin の site model と bond modelに基いて解説する. まず, ランダム性を明瞭にするために, annealed system と quenched systemを定義し, 両者の違いを自由エネルギーの高温展開によって具体的に示す. annealed systemに対しては, grand partition function method や combinatorial methodが有効に用いられる. しかし, quenched systemでは, 1次元やBethe格子などを除くと, 未だ完全に十分な扱いがなされていない. 最近, 相互作用が ferro と antiferroの混合の qucnched systemで, 新しい相(random ordered phase) が見出された. この相は空間的には randomであるが, ちゃんと ordered parameterを持つ ordered phaseである. これについての理論を詳解する.
