1977 年 32 巻 7 号 p. 557-561
現在, クオーク線則(quark line rule)は素粒子論で最近発見されたψまたはJの安定性を説明するのに有効なだけでなく, φメソンやf'メソンを含む種々の散乱実験の結果やそれ等のdecay の幅等の説明にも役立ちます. この規則の奇妙な点は, 100%完全である事が原理上, 不可能である事です. また, この規則は素粒子のクオーク模型と大変密接な関係があります. このような事実を, 歴史的な見地からここに解説します. 現在の所, クオーク線則は多分量子クロモ力学(quantum chromo dynamics)で説明され得る可能性が一番大きいと考えられて居ります.