日本物理学会誌
Online ISSN : 2423-8872
Print ISSN : 0029-0181
ISSN-L : 0029-0181
パターン認識 : 文字認識を中心として
飯島 泰蔵
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 35 巻 5 号 p. 387-393

詳細
抄録

パターン認識は, 情報分野において永らくその重要性が叫ばれてきたものであるが, 近年になってようやくその研究成果が実り始め, 認識装置類の実用開発が軌道に乗るようになった. 本稿では, まず認識とは何かという問題に対する情報科学の立場からの考え方を示すとともに, パターン認識に関する統計理論の解説を行う. しかしこの理論には隠された諸問題が山積していることを指摘し, これを打開するために対象パターンの持つ性格を明らかにする理論解析の重要性を説く. そして文字認識問題を例にとって, 理論解析に裏付けられた技術開発の実情について概説し, 今後の動向についても触れる. 本文がパターン認識問題に対する御理解を深める上で, いささかなりともお役に立つならば幸いである

著者関連情報
© 社団法人 日本物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top