日本物理学会誌
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断熱消磁法の冷凍への応用
橋本 巍洲椎野 正寿
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1981 年 36 巻 12 号 p. 876-885

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抄録
断熱消磁を応用した磁気冷凍は, 作業物質が磁性体, 外部操作系が磁場という特質から, 従来の気体冷凍に比して, 小型軽量化可能なこと, 低雑音, 低振動, 高信頼性の冷凍機が作製可能なこと等々の優れた特性を持つ冷凍方式であり, 現在その実用化が非常に期待されているものである. 従来この方式は, 高温領域では種々の問題があり, 冷凍技術としては殆ど考慮の対象にならなかった. しかし近年の著しい超伝導電磁石技術の進展, さらにはBrownの高温磁気冷凍の成功(?)等に刺激され, この方式が見直され始めている. したがって, ここでは, 高温磁気冷凍の原理, 開発するための課題, 研究の現状等を紹介する.
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