日本物理学会誌
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動的性質から眺めた金属強磁性
石川 義和
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1981 年 36 巻 9 号 p. 646-656

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抄録

金属強磁性の理解にとって最も重要なことは, その磁気モーメントを担っている電子が結晶の中を遍歴しているか, あるいは原子の上に局在しているかを知る事であろう. このためにはその物質の動的性質(時間変化を伴う性質)を研究する事が肝要であり, 中性子散乱はそのための最も直接的な研究手段である. 本解説ではこの中性子散乱研究によって解明された金属強磁性体の動的性質を, まず局在磁気モーメントまたは遍歴電子磁気モーメントをかなりはっきりと持っていると思われる物質の場合について紹介し, 最近の理論との比較を行う. 次に最も重要でかつ難しい中間的性質を持つ金属強磁性体の動的性質を, 前二者の両極端の場合と比較しつつ紹介し, 今後の研究の参考に供したい.

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