日本物理学会誌
Online ISSN : 2423-8872
Print ISSN : 0029-0181
ISSN-L : 0029-0181
重い電子系の超伝導 : II. 理論 (<特集> 重い電子系)
三宅 和正
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 42 巻 8 号 p. 760-765

詳細
抄録

CeやUを含む一群の金属化合物では, 電子の有効質量が通常の金属の百倍以上に達し (重い電子系と呼ばれる), その中のあるものは超伝導を示す. そして, その超伝導状態はBCS理論で記述される通常の金属のそれと定性的にずいぶん違う側面をもっていて, そこでは新しい超伝導発現機構が働いていると予想されて来た. その新しい機構は何か? ここでは, 従来の超伝導に関する理解を含め, 現在までに得られている重い電子系の超伝導の機構に関する理解を概観し, 現在有望視されつつある反強磁性的スピンゆらぎに媒介される超伝導機構について紹介する.

著者関連情報
© 社団法人 日本物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top