日本物理学会誌
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いま, 音響学がおもしろい
古井 貞煕
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1992 年 47 巻 12 号 p. 960-967

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抄録

音響学は光学と同様に古典物理学の代表的分野である. このため音響学は, すでに確立された学問分野であるかのように思われがちである. しかし, 光学の新しい展開が話題となっているように, 音響学の分野でも身近な問題に関連した. 種々の新しい面白い展開がなされている. その一つは音の場(音場)の能動的な制御, もう一つは音声の認識と合成である. 音響学の世界は基本的に線形系であるが, 高度な分析や処理を行うことがこれまで困難であった. その理由は, 多数の要因が関連すること, 系の次数が高いこと, 処理の実時間性が要求されることなどである. これに対して, 最近, 種々の新しいモデルの適用, 信号処理技術の進展, コンピュータやLSIの進歩などによって, 新しい技術が次々に実現されつつある.

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