日本物理学会誌
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磁束線ピン止め・非局在転移・非エルミート量子力学
羽田野 直道
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1998 年 53 巻 11 号 p. 826-833

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抄録
非Hermiteなハミルトニアンを持つ量子力学の新しい模型が提案され, その興味深い性質が明らかにされつつあります. この解説ではその模型を研究する物理的動機を説明し, 性質の一端を紹介します. この非Hermite系の示すAnderson局在という現象と, 高温超伝導体中の磁束線ピン止めという物理現象が, Feynman経路積分を通してつながっていることを示します. そして, 非Hermite系の複素エネルギー・スペクトルが磁束線のピン止め破壊転移をどのように記述するかを議論します. 非Hermite系は従来「物理的でない」と考えられがちでしたが, 様々な分野で物理現象を有効的に記述する模型として, ここ数年で急速に研究が進み始めました.
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