日本物理学会誌
Online ISSN : 2423-8872
Print ISSN : 0029-0181
ISSN-L : 0029-0181
自己組織化膜における分子プロセス
近藤 寛野副 尚一
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 53 巻 8 号 p. 573-580

詳細
抄録

自己組織化膜は固体基板表面を一種の鋳型にして, 分子が自発的に高い秩序性を持って配列する単分子膜のことである. このような系は固体表面に二次元的に広がっているために, 様々な表面科学的な手法を用いて, 自己組織化における分子の挙動を詳細に調べられるという特徴がある. 我々は超高真空走査型トンネル顕微鏡と他の表面科学的手法を組み合わせて, 金単結晶基板表面へのチオール系分子の自己組織化と外部刺激に対する応答を調べてきた. 本稿では, 金・チオール系自己組織化膜の研究背景と最近明らかになりつつある興味深い分子プロセスについて紹介する.

著者関連情報
© 社団法人 日本物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top