日本物理学会誌
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近接場光学顕微鏡による単一粒子分光
斎木 敏治松田 一成
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1999 年 54 巻 10 号 p. 802-809

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抄録

高い空間分解能に加え, 優れた信号検出感度をもつ近接場光学顕微鏡を用いた単一量子ドットの室温, 低温における各種分光の測定方法, 結果を紹介する. 化学エッチングによる光ファイバの先鋭化と押付け法による微小開口作製技術を確立し, 100nmの空間分解能と高開口数対物レンズに匹敵する集光効率を同時に達成する近接場プローブを実現した. これにより背景光の低減と極微弱光の検出が可能となり, 単一ドットの発光時間分解分光や非線形吸収分光, 量子効率が大きく低下する室温における発光分光などに成功している. ここで紹介する高性能プローブは単一分子などさまざまな単一粒子分光へも応用が期待される.

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