日本物理学会誌
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宇宙ステーションからの宇宙線観測
鳥居 祥二槙野 文命
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2001 年 56 巻 1 号 p. 8-16

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抄録
宇宙線の研究は,粒子の生成・消滅という素粒子物理学または原子核物理学と,粒子の加速・伝播という宇宙物理学の視点から行われている.観測される宇宙線の組成やスペクトルは両者が複雑に絡み合った現象である.広いエネルギー領域で多種類の粒子の識別とエネルギーの決定を行う必要があり,様々な検出器が考案されて,地上および気球,人工衛星による観測が実施されている.国際協力で建設が進められている宇宙ステーションは,各国が宇宙空間に露出した宇宙線観測に適したサイトを準備しており,特色ある観測装置の搭載が計画されている.本稿ではこれらの装置の概要とその観測計画について解説する.
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© 社団法人 日本物理学会
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