日本物理学会誌
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カラー超伝導
飯田 圭
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2002 年 57 巻 12 号 p. 883-890

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抄録

相対論的なエネルギーをもつた重イオン同士の衝突をもってしても,閉じ込めという並外れた性質のために間接的にしかその正体がつかみえないクォーク物質.そこでは,量子色力学という美しい理論体系によりさまざまな秩序をもった相状態が予言されている.カラー超伝導状態は,その中で現在最も注目されている相状態の一つである.本稿はカラー超伝導を現象論的に説明することからスタートする.その微視的な記述においては,粒子がカラー荷をもち相対論的にふるまうが故に,従来のBCS理論は拡張されることになる.最後に,最近発見の可能性が報告されたクォーク星との関連,実験室の超流動系との比較から,カラー超伝導状態の面白さを紹介する.

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