日本物理学会誌
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観測で探る天体・宇宙の物理 : 見えない宇宙の観測(<シリーズ>「日本の物理学100年とこれから」)
松岡 勝
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2005 年 60 巻 5 号 p. 337-343

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抄録
天体・宇宙の観測分野はたいへんに広い.20世紀に生まれ, 有意な結果を与え大きく発展している分野だけでも宇宙線物理学, 電波天文学, X線天文学, ガンマ線天文学, 紫外線天文学, 赤外線天文学, ニュートリノ天文学があげられる.宇宙線も電波やX線を発する天体も発見以前には全く予測できなかったが, 今日ではそれぞれ大きく発展し天文学にも物理学にも大きな影響を及ぼしている.今後もこの広大な宇宙には意外な発見を期待できるものと考えられる.さらに, ダークマターやダークエネルギーのように全く捕らえどころがないものが潜んでいる不思議な宇宙はいつまでも我々に夢を与え続けるであろう.この小文では20世紀に生まれたいくつかの宇宙観測の分野が, 日本の優れた先達とその後の研究者たちの情熱で世界の潮流に乗って発展してきた経緯とこれからの様子を記述する.
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© 社団法人 日本物理学会
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