千葉県農林総合研究センター研究報告
Online ISSN : 2185-1808
Print ISSN : 1883-5295
水素化物発生法による肥料・飼料の総ヒ素分析における湿式分解温度の影響
青木 孝一安藤 光一久保田 貴志
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2014 年 2014 巻 6 号 p. 99-104

詳細
抄録
肥料・飼料の総ヒ素分析において,湿式分解の温度条件が定量値に及ぼす影響について調べたところ,以下の知見が得られた.1. 魚粉を硝酸,過塩素酸,硫酸を用いて湿式分解した場合,総ヒ素定量値はサンドバスの砂温が260℃の分解に比べて,200℃では約10%,230℃では70%~90%となった.2. 有機態ヒ素アルセノベタインの認証標準物質の総ヒ素定量値は,砂温260℃の分解で認証値と有意差のない値が得られた.このことから,魚粉に含まれているアルセノベタインは,260℃の分解でほぼすべて無機化したと考えられた.このときの分解液温は約210℃であった.3. 魚粉,配合肥料,汚泥肥料等を砂温約200℃の低温分解と約300℃の高温分解を行ったところ,魚粉を含む試料では,低温分解の総ヒ素定量値は高温分解の50%以下であった.しかし,汚泥発酵肥料では高温分解と低温分解の差は認められなかった.4. 以上から,肥料・飼料の総ヒ素分析を行う場合,アルセノベタイン等の有機態ヒ素を含む試料では,湿式分解の砂温を260℃以上,分解液温を210℃以上とする必要があることが明らかとなった.
著者関連情報
© 2014 千葉県農林総合研究センター
前の記事 次の記事
feedback
Top