抄録
Glomerella cingulataによるナシ炭疽病は主に「豊水」,「新高」で早期落葉を引き起こすため問題となる病害である.防除に用いている薬剤はQoI剤であるが,耐性菌の発生が危惧されることから,本系統薬剤に依存しない防除体系が求められている.そこで,登録内容に関わらず,約10種類の薬剤について,代替となる殺菌剤の探索を行ったところ,数種薬剤に防除効果が認められた.このうち, フルジオキソニルは最も高い防除効果が認められ,果実の汚れや薬害も生じなかった.本剤は黒星病に対する防除効果も高かったことから,ナシ栽培における病害防除薬剤として実用性が高いと考えられ,今後,本剤のナシにおける登録取得および有効かつ持続可能な使用方法の確立が望まれる.