抄録
ニホンナシにおいて開花安定のために用いられているシアナミド剤を,早期成園化を目的に用いる技術として確立するため,以下のような実証試験及びシステム開発を行った.1. 圃場に定植した1年生苗木にシアナミド剤を散布したところ,葉芽の発芽率は無散布区と比べ有意に高く,花芽だけでなく,葉芽の発芽を促すことが明らかとなった.また,新梢の生育促進効果も認められた.2. 現地の改植圃場において,「幸水」大苗にシアナミド剤を散布したところ,前述と同様に葉芽の発芽及び新梢の生育を有意に促進したことから,シアナミド剤は開花安定だけでなく,改植圃場の早期成園化のために利用できる可能性が示唆された.3. アメダスの気温データをインターネット接続下で自動取得し,生育予測モデルに基づいて発育指数を算出することで,シアナミド剤の散布適期を判定できるシステムを構築した.