千葉県農林総合研究センター研究報告
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リン酸が蓄積した褐色低地土におけるトマト連作時のリン酸減肥による生育収量及び土壌の可給態リン酸含量の変化
塚本 崇志岩佐 博邦八槇 敦
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2017 年 2017 巻 9 号 p. 1-9

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抄録
リン酸が蓄積した褐色低地土におけるトマト連作時のリン酸減肥による生育収量及び土壌の可給態リン酸含量の変化を明らかにした.可給態リン酸含量が127mg/100g(千葉県の診断基準値上限100mg/100g)の褐色低地土において,リン酸を減肥して半促成栽培と抑制栽培でトマトを4作続けて栽培し,生育,収量,糖度,リン酸吸収量,土壌の可給態リン酸含量等を調査した.1. リン酸を基肥及び追肥ともに施用しない栽培を4作続けても,トマトの葉,茎,側枝,果実の乾物重,収量,糖度及びリン酸吸収量は低下しなかった.2. 基肥のリン酸を無施用で栽培すると,深さ0~20cmの可給態リン酸含量は4作後で栽培前に比べて有意に減少し,63~72mg/100gと診断基準値以内となったが,深さ20cm以下では減少はみられなかった. 3. 基肥をリン酸無施用で栽培すると,深さ0~20 cmの可給態リン酸含量は4作で49~69mg/100g減少した. 4作合計のトマト植物体全体のリン酸吸収量は約63kg/10aであり,可給態リン酸含量の減少量とほぼ等しかった.4. 葉柄汁液リン濃度は,3作目半促成までリン酸施用の有無で有意差がなかったが,4作目半促成の5段果房直下葉ではリン酸無施用で診断基準値を下回った.5. 以上のことから,可給態リン酸含量が診断基準値を超えている褐色低地土では,4作続けてリン酸無施用でも,トマトは主に深さ0~20cmの土壌に蓄積した可給態リン酸を吸収することで生育に十分なリン酸を確保し,生育及び収量を落とさずに栽培が可能であり,トマトのリン酸吸収量とほぼ同量の土壌の可給態リン酸が減少すると考えられた.また,栽培前土壌の可給態リン酸含量が71mg/100g以上であれば,トマトの生育,収量及びリン酸吸収量が減少しないことが明らかとなった.
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© 2017 千葉県農林総合研究センター
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