2021 年 58 巻 2 号 p. 227-233
新型コロナ感染症の感染拡大防止のため,人と人とのいわゆる社会的距離が制限され,大学においても通常の対面による保健(健康支援)活動が困難となった。コロナ禍下で学生に生じた様々な健康課題に対し,参加型の生活習慣改善企画「春の生活応援‼脱,ぐーたらキャンペーン」,早起きに特化した「朝活応援‼早起きでGO‼」,情報発信企画「教えて‼〇〇のプロ‼」,Web会議システムを活用した「おうちから相談会」の4つの健康支援を行った。企画後に実施したアンケート調査からは,参加型の生活習慣改善企画は対面せずとも学生の健康習慣にアプローチができることがわかった。また,学生が容易にアクセスできるようオンラインを活用し積極的に健康支援を実施した事によって,これまでよりも多くの学生にアプローチすることができた。オンラインを活用した健康支援について,どれほどの効果やリスクがあるか今後さらなる検討が必要であるが,コロナ禍下のみの一時的な次善策ではなく,アフターコロナにおいても対面支援に加えて活用していくべきだと考える。