Print ISSN : 0016-450X
203. 腫瘍の組織化学的研究, 特に悪性絨毛上皮腫の化学療法に関する基礎実驗
森 茂樹翠川 修尾島 昭次井上 哲夫飯島 敏佐伯 愼也
著者情報
ジャーナル フリー

1954 年 45 巻 2-3 号 p. 513-515

詳細
抄録

1) 悪性絨毛上皮腫は組織化学的にその発生母組織の性状を比較的よく保存している。2) 妊娠末期のマウスに Progesterone を大量投与する時胎児の子宮内死亡, 胎盤の萎縮を来す。3) 悪性絨毛上皮腫に1日50mgの Progesterone を投与した1例では一時的に臨床所見の好轉を認め, 1例では剔出組織に絨毛上皮腫の壊死像と細胞浸潤を認めた。4) 以上の所見からわれわれは悪性絨毛上皮腫に対して Progesterone が少く共ある程度抑制的に作用するものではないかと考えており, 会員諸君の追試を俟つ次第である。

著者関連情報
© 日本癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top