Print ISSN : 0016-450X
日本における癌の地理病理学
病理解剖および試験切除による報告
武田 勝男
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1955 年 46 巻 suppl 号 p. 1-53

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抄録

国際地理病理学会が「癌の地理病理学」を宿題として選び1954年9月 Washington 市において第五回総会を開催するに当って, その日本国内委員会は筆者を日本においる宿題担当者に選定した。
筆者は日本全国大学の病理学教室各位の援助を得て過去5年間の全病理解剖例15,006例中より悪性腫瘍屍剖検例計4,182例の詳細記載カードの贈与を受けた。さらに全国9大学に依頼して過去3年間の病的検査材料29,768例中よりすべての悪性腫瘍6,930例の記載カードを得た。
以上の計11,112例のカードを基として筆者は腫瘍の日本における統計学的調査研究を行い, とくに国際地理病理学会の要請によって乳癌, 子宮癌, 肺癌, 肝癌, 胃癌についてやや詳しくその統計的数値をあげた報告書を作製した。
報告は世界各国に送付されて各地区の報告者の成績と比較対照され, また国際地理病理学会の席上各地区の報告者および筆者によって報告された。
本論文がその一般報告書である。
報告書は国際地理病理学会要請の網目の充足に急で他の一般癌に迄広くおよばないきらいがあるが, 各方面の要請に答えてその全文を公表させていただくことにしたのである。

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