Print ISSN : 0016-450X
癌の細胞学的研究
XXIV. シロネズミ腹水肝癌 (H-17) の異代移植中にみられた腫瘍の性状の変化
佐々木 本道
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1958 年 49 巻 4 号 p. 331-340_2

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抄録

p-Dimethylaminoazobenzene 経口投与により高度の純系シロネズミ Wistar-King A系(F153) に発生した腹水肝癌 (H-17) の累代移植中にみられた肝癌島の性状, 移植性, 生存日数, 染色体数の変化について調査した。
約90代 (2年間) の累代移植中にその移植率は次第に増加したが腫瘍動物の平均生存日数は必ずしも移植率の増大と平行して減少しなかった。また, 肝癌島の性状も次第に変化し, その大きさは累代移植とともに小さくなった。一方, このような変化と平行して染色体数の変異の幅が次第に狭くなり高い mode を示すようになった。

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