脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌)
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Print ISSN : 0915-9401
シンポジウム11 神経再生と脳保護療法
血管内皮傷害と口腔細菌
梅村 和夫外村 和也松本 祐直
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2015 年 26 巻 2 号 p. 141-143

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抄録

要旨 マウス頭蓋内出血モデルを用い,S. mutans(標準的な株であるMT8148 株(MT)と頭蓋内出血患者から分離した高病原性TW295 株(TW))を静脈より投与し,24 時間後の頭蓋内出血の程度を検討した.頭蓋内出血量はMT 群では,コントロール群と比べ変化がなかったが,TW 群では有意に増加した.TW は菌表層にコラーゲン結合蛋白質(Cnm)を有しているが,MT は有していない.そこで,このCnm を欠損させたTW295CND 株を作製した.CND 株群では,脳組織への集積は認められず,頭蓋内出血の増悪も認められなかった.また,TW群は出血部位に強いMMP-9 の発現増強を認め,さらにコラーゲン添加による血小板凝集能を低下させた.これらの結果から,高病原性S. mutans は,Cnm を有しており,そのCnm を介して血管内皮傷害により露出したコラーゲン層に集積し,MMP-9 の発現を亢進して血管壁を融解し,さらに血小板凝集能を低下させることで頭蓋内出血を助長したと考えられる.

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© 2015 日本脳循環代謝学会
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