脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌)
Online ISSN : 2188-7519
Print ISSN : 0915-9401
シンポジウム 2 脳梗塞の病態と新規治療開発の将来像
なぜ周皮細胞か?―脳梗塞病態における周皮細胞の挙動とその重要性―
吾郷 哲朗
著者情報
ジャーナル フリー

27 巻 (2015-2016) 2 号 p. 271-275

詳細
PDFをダウンロード (3562K) 発行機関連絡先
抄録

神経機能を司る最小機能単位としてneurovascular unit (NVU)という概念が確立してきた.NVU は神経細胞を中心に,アストロサイト,毛細血管の内皮細胞・周皮細胞によって構成される.血液脳関門は内皮細胞間のタイトジャンクションによって形成されるが,その構造維持に周皮細胞が不可欠であることが明らかとなり,周皮細胞により一層の注目が集まっている.周皮細胞の機能は,遺伝的要因,加齢,生活習慣病などによって影響をうける.その機能破綻は,血液脳関門の破綻,さらには神経機能障害の原因となるため,周皮細胞機能の維持は極めて重要である.本稿では,周皮細胞の発生と機能維持に不可欠と考えられるPDGFRβ に着目しながら周皮細胞機能に言及したのち,脳梗塞発生時の血液脳関門維持と修復,さらに脳梗塞巣そのものの修復における周皮細胞の役割について言及する.脳血管障害を含む種々の中枢神経疾患において周皮細胞が新規治療開発の標的となることが期待される.

著者関連情報
© 2016 日本脳循環代謝学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top