抄録
Goddardらにより提唱された電荷平衡(QEq)法は、分子の3次元構造に基づいた原子電荷の計算方法として、その有効性が広く認識されている。我々の研究グループでは、QEq法におけるクーロン相互作用の計算に西本-又賀の式を用い、連立一次方程式の反復計算を不要にし、計算時間の大幅な短縮を実現した修正電荷平衡(MQEq(NM))法を提案している(T. Nakano et al., Chem-Bio Inf. J. 1, 35 (2001))。本論文では、西本-又賀の式を大野-Klopmanの式に変更し部分系間の電荷移動を制限できるように拡張したMQEq(OK)法、ならびに大野の式を用いたMQEq(O)法、DasGupta-藤永の式を用いたMQEq(DH)法に関し、その有効性を検討した。MQEq(OK)法、MQEq(O)法、およびMQEq(DH)法による原子電荷は、HF/6-31G(d,p)法によるMulliken電荷、CHELPG電荷、およびMerz-Singh-Kollman電荷をよく再現しており、原子電荷の計算方法として有用であることが示された。