2021 年 26 巻 1 号 p. 1-13
本稿では、アンケート調査結果をもとに高知市内の水害危険性の高い河川沿い住宅地を対象に、住民の属性を踏まえながら①日常的な防災準備(災害用持ち出し品の準備、緊急時の連絡先や連絡方法の把握、防災組織・訓練への参加)、②避難エリアに関する認識(ハザードマップや避難場所等の把握)、③避難行動に関する想定(避難時の障害、避難タイミングの想定、避難困難者への支援)についての問題点を検討した。検討結果を踏まえ、①の対応課題として、防災準備の個別支援と防災活動への多世代参加の促進、②に関して、避難経路の障害の解消、および居住歴の短い人や女性が避難場所や避難経路を把握できるための支援、③に関して、地域住民の避難支援能力の把握による、住民間の過度な気遣いを伴わない避難支援体制の構築、を提示した。