抄録
エダラボンのラット摘出心における虚血再灌流不整脈に対する抑制作用の有無を検討した。心摘出後,ランゲンドルフ法による灌流を開始し,10,25,50,75,100,150μMのエダラボンを溶解した灌流液で10分間灌流後,11分間の虚血を行い,3分間の再灌流を行った。
冠灌流量,心拍数に対するエダラボンの影響は認められず,心室細動(ventricular fibrillation:VF)発生率においてはエダラボン 25,75,100μMでcontrol群に比べ有意に減少した。しかし,各濃度間の有意差は認められなかった。Sustained VF発生率は,control群の92%に対し,エダラボン 25μMで 50%と有意に減少した。エダラボンはラット摘出心の虚血再灌流時の不整脈に対し抑制作用を有することが示唆された。