抄録
本研究は, 多数の水鳥が飛来する, ため池のある公園を対象としている. 子供を連れた来園者は水鳥とのふれ合いは子供には良い体験だという気持ちから, 子供と一緒に水鳥に給餌行為を行っている. しかし, 給餌行為は水質保全のために禁止されているが, 来園者は禁止を知りながら水鳥への給餌を行っている. そこで, 給餌行為が禁止であると認識していながら, 給餌行為を行ってしまう要因を明らかにするために, 来園者に対してアンケート調査を実施し, 属性別, 来園目的別に給餌行為の禁止に対する意識の相違を心理的な側面から分析した. その結果, 来園者は水質問題を深刻に感じていないこと, 他人の行動が来園者の環境意識に影響することを明らかにした.