環境情報科学論文集
最新号
選択された号の論文の55件中1~50を表示しています
研究論文
  • 小林 昭裕
    原稿種別: 研究論文
    p. 1-6
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,警察の山岳遭難記録をもとに,行動形態による遭難特性の相違を考慮し,採集行動,スキー行動,一般登山に区分し比較検討した。次に一般登山に対し,山域毎の危険性に応じた遭難対応の必要性を踏まえ,遭難者が多い北アルプスの山岳遭難特性を,他の山群,北アルプス内の山域間,個別山域,3つの異なる空間尺度で比較検討した。その結果,採集行動やスキー行動では遭難特性が一般登山とは異なり,個別に対処する必要性が示された。山群,山域,個別山域で比較検討から,各空間尺度で導出された遭難特性,および空間尺度に跨る遭難特性,相互の共通点や相違点を確認し,遭難対策で着眼すべき点や今後の課題を明らかにした。

  • 海浜空間の保全と利用に関する研究
    田島 佳征, 畔柳 昭雄
    原稿種別: 研究論文
    p. 7-12
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    近年,海水浴の人気が衰退傾向を見せており,最盛期の2 割程度の入込人口まで減少し,今後も減少傾向は続くものと考えられている.海水浴の人気低迷は,自然・社会・経済などの各 種の環境要因が複雑に関係し生じた問題と捉えることができ,「海離れ」の一端とも捉えられる. そこで本研究では,新聞掲載された「海離れ」記事に対して,読者が書き込んだコメント内容 を対象とすることで,その内容から海水浴入込客の各種減少要因を見出だす事とした.そのため,言語分析に用いられる形態素解析を用い,語の共起関係を捉えることを試みた結果を示す

  • 坂部 創一, 山崎 秀夫
    原稿種別: 研究論文
    p. 13-18
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    テクノ・ネット依存症傾向が高い学生ほど心理的レジリエンスが悪化する傾向を示し,共感的ネット利用が多い学生ほどレジリエンスが高い傾向を示すとの仮説を設定した。情報系大学生を対象に縦断調査を行い,共分散構造分析で分析した結果,仮説は検証された。このことから,情報化社会におけるレジリエンスの向上策として,テクノ・ネット依存症傾向の回避や,過剰依存にならないような適度な共感的ネット利用の有効性が示唆された。

  • 小坂 真理
    原稿種別: 研究論文
    p. 19-24
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット間における相乗効果については多くの研究が行われている一方で,SDGs とその他の制度間における相乗効果については十分な検討が行われていない。本研究では,国際認証プログラムのひとつであるフェアトレードに着目し,フェアトレードの制度がSDGs 達成にどのような形で相乗効果を与えるかを明らかにした。その結果,フェアトレードは72 SDG ターゲットに貢献すること,そのうち認証を取得することにより直接的,かつ自動的に貢献できるターゲットは41 に及ぶことがわかった。また,フェアトレードは,広範囲,直接的,かつ統合的に貢献する可能性が高いスタンダードを有することが明らかになった。

  • 長澤 康弘, 錦澤 滋雄, 村山 武彦, 長岡 篤
    p. 25-30
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,農山漁村再生可能エネルギー法に基づく基本計画とその策定過程における協議会を対象に,地域便益と環境面に関する規定と議事録内容を整理し,選定した対象事例の合意形成プロセスを分析した。分析にあたっては,協議会議事録の論点整理に基づく内容分析と,テキストマイニングによる分析を併用した。その結果,基本計画の記載内容は,環境面より地域便益の具体施策を記載する自治体が多いこと,協議会では,序盤にまず事業によるメリットを共有して事業推進の方向を確認した上で,中盤では環境面の課題や懸念事項を抽出し対策を検討,終盤において今後,検討していくべき事項を確認する方向で合意形成が図られたことが明らかになった。

  • 武 正憲, 和田 茂樹
    原稿種別: 研究論文
    p. 31-36
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,東京都新島村式根島にある地形的特徴の異なる二つの海水浴場を事例に,海水浴場の利用者密度と利用者の混雑感と満足度の3変数の相互関係を明らかにすることを目的とした。利用者密度は目視観察で把握し,混雑感と満足度はアンケート調査で把握した。調査結果から,利用者密度と利用者の混雑感と満足度の3 変数間に明確な相関関係は認められなかったが,地形の違いや体験の評価が混雑感を低下させる可能性が示唆された。

  • 王 茹詩, 柳井 重人
    原稿種別: 研究論文
    p. 37-42
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    中国では急速な経済の発展に伴い、都市住民が自然や農とのふれあいを求めている。都市農業公園は,近年,重要な農村観光地として整備が進められているが,同時に,子どもたちの食農体験の場と機会を提供することも期待されている。本研究では,中国の大都市である重慶市の先進的な都市農業公園を対象に,食農体験プログラムの実施状況を把握するとともに,それに関する小学生の認識をアンケートにより把握した。調査の結果,都市農業公園は都市部の小学生にとって食農体験の不足という課題を軽減していること,プログラム運営上の課題があること等が把握された。

  • 山島 有喜 , 山本 清龍, 小堀 貴子, 下村 彰男
    原稿種別: 研究論文
    p. 43-48
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,阿蘇くじゅう国立公園において来訪者に対してアンケート調査を実施し,環境保全を目的とする基金に対して許容される賛否および徴収方法を把握した。また,基金に対して賛意を示した大多数の回答者を対象として,許容する徴収方法を把握するためのクロス集計分析を行った。その結果,多くの徴収方法が許容され得ることが明らかになった。とくに,環境の改善を期待する層では主要拠点における徴収が許容され,基金の事務局費用や人件費などの運営費には可能な限り全員から徴収する方法,駐車場料金への上乗せが許容されていた。

  • 東日本大震災後の釜石市を事例として
    佐々木 啓, 山本 清龍, 佐々木 薫子
    原稿種別: 研究論文
    p. 49-54
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,震災遺構の保存されていない東日本大震災の被災地である釜石市を取り上げ,語り部ガイドツアーへの参加の有無と来訪者の災害に関わる意識の強化との関係性を明らかにし,震災遺構のない地域における伝承方法としての語り部ガイドの役割と可能性について論じ考察した。調査の結果,語り部ガイドツアーの参加によって防災意識が強まり,被災地としての臨場感,迫力をより認識するようになったことが考えられた。また,震災遺構がなくとも,語り部ガイドツアーの参加によって震災遺構を利用した場合と類似的に災害に関わる意識が強まる可能性が示唆された。

  • 栃木県宇都宮市を事例として
    坪井 塑太郎
    原稿種別: 研究論文
    p. 55-60
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究の目的は,令和元年台風第19 号による被害・避難の状況と対応を地理空間上の位置情報との関連から分析を試み,あわせて生活復興に至る過程までの一体的把握を通して課題を明らかにすることである。本調査においては,洪水ハザードマップの改訂による避難所の見直し等で,事前には避難方法が地域で確認されていたものの,住民のゼロリスク意識の高さや,避難に際してはその距離が障壁となったことが示された。また,床上浸水による被害世帯では,生活再建支出が高額になる世帯も多く,経済環境の復興感の醸成には長時間を要していることが明らかになった。

  • 平山 奈央子
    原稿種別: 研究論文
    p. 61-66
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    内湖は人の手が適度に加わることで維持できる2 次的自然であるため,その保全・管理においては地域住民の日常的かつ継続的な関わりが求められる。本研究では,琵琶湖と内湖の関係および水環境保全政策への信頼に着目し,内湖の保全・管理活動への住民の主体性に影響を与える要因について明らかにすることを目的としてアンケート調査を実施した。得られた561 件の回答を用いて共分散構造分析を行った結果,次の点が明らかになった。(i) 琵琶湖の価値や政策への信頼性は内湖のそれらに影響を与えている,(ii) 水環境保全政策への信頼が高いほど住民が主体的に活動する意欲が高い,(iii) 琵琶湖および内湖の価値評価が活動の主体性に最も影響する。

  • インドネシア火山噴火災害の事例
    イスタント ヘリ
    原稿種別: 研究論文
    p. 67-72
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    インドネシアの火山噴火災害からの復旧過程におけるコミュニティ・レジリエンスを測定するため,複合的手法を用いた。研究対象とした3 つの集落は噴火によって避難を余儀なくされたが,元の場所に戻り、集落を再建した。アンケート調査の結果,対象集落のレジリエンス指標(IPCR)は 4.06 で,高いレジリエンス能力を示した。また,インタビュー調査からも,高いコミュニティ・レジリエンス能力が明らかになった。中央政府などとの政治的関係は弱いが,災害前に比べ,災害後のレジリエンス能力の方が高いと評価された。噴火災害・避難と故郷再建という住民の社会的意思決定によってレジリエンス能力が強化されたと考えられる。

  • 谷本 真佑, 南 正昭
    原稿種別: 研究論文
    p. 73-78
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,大規模都市整備事業が行われた盛岡市盛南地区において,事業中および事業完了後の2度実施した住民意識調査を基に,生活環境への満足度およびソーシャルキャピタルが地区全体の満足度に与える影響について,2時点の比較分析を行った。 事業完了後の調査では,生活環境への満足度ほどは関連性が強くないものの,ソーシャルキャピタルと地区全体の満足度との関連性に有意性が示された。市街地形成の途上過程では,生活環境への満足度のほかにソーシャルキャピタルも変化していることを示すとともに,今後の都市計画に向けてソーシャルキャピタルの時間変化に応じた施策の必要性が示唆された。

  • 石油コンビナー ト等特別防災区域を対象として
    今中 厚志, 村山 武彦, 錦澤 滋雄, 長岡 篤
    原稿種別: 研究論文
    p. 79-84
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    石油コンビナート等特別防災区域内の化学工場で発生した火災事故に対して避難指示が出された事例を対象に住民を対象とした質問紙調査を実施し,事故発生時の避難行動や今後の避難意向に加えて,自治体に求められる対応との関連を明らかにすることを目的とした。その結果,事故発生時に指示に従って約半数の回答者が避難したが,メディアから情報を入手し自治体に問い合わせをしたが,避難しなかった層が存在する傾向もみられた。さらに,事故発生時には情報が不確実な段階でも住民に提供することが求められる傾向にあることが示された。

  • 高橋 正弘
    原稿種別: 研究論文
    p. 85-90
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    新潟県佐渡市の住民を対象に,佐渡市内で進められているトキ保護に関するアンケート調査を2019 年2 月に実施した。再導入事業の評価に関する回答を,まずポジティブ群とネガティブ群に区分し,評価理由欄や自由記述欄に回答された質的データを取り上げ,階層クラスタリングの分析,ネガティブ群のテキストデータの類型化,自由記述の共起キーワードの比較の3 つを行った。 その結果,ポジティブ群とネガティブ群のそれぞれの認識に違いが出現することが明らかになった。 そして私的-公的領域を重視するという認識の軸と,経済面を重視する-環境面を重視するという認識の軸の二軸の交差する平面上に,認識のバリエーションが出現することを示した。

  • 本田 裕子
    原稿種別: 研究論文
    p. 91-96
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    ツシマヤマネコの減少原因の一つにノラネコからの感染症があり,対馬市ではネコの適正飼養の取り組みが進められている。本研究では,市全域を対象にしたアンケート調査を実施し,ネコの適正飼養についての現状・意識の把握と今後の取り組みを推進していく上での課題を検討した。 まずは「ネコ適正飼養条例」の認知度が高くないことがあり,今後広報の工夫が必要である。次に,今後のノラネコ対策として,現状のノラネコ不妊化事業を支持する意見が多かった。しかし,対策が必要な理由としては「生活環境を守るため」や「ノラネコが増えすぎないため」が多く,本来の目的である「ツシマヤマネコを感染症から守る」を改めて周知していく必要がある。

  • 排ガス処理設備の負荷最大能力を考慮して
    谷 宥斗, 中尾 彰文, 山本 祐吾
    原稿種別: 研究論文
    p. 97-102
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,アジア諸国で輸入規制対象となった廃プラスチック類(規制対象廃プラ)を対象に,近畿,中部,中国,四国地方の一般廃棄物処理施設における受け入れポテンシャルを推計した。その際,排ガス処理設備の負荷最大能力を考慮するカロリーベースでのポテンシャルを評価した。分析の結果,1) 対象地域で発生する規制対象廃プラ量は年間916.3 t であること,2) 規制対象廃プラを発電効率21 %以上の施設で受け入れた場合,受け入れ可能量は年間10.1 t に留まること,3) 受け入れ基準を発電効率12 %まで落とせば,年間893.3 t の規制対象廃プラを受け入れるポテンシャルがあること,が明らかになった。

  • 木村 健一郎, ザヤラス シンコン, カンプーミ ケットマネー, 原口 雅人
    原稿種別: 研究論文
    p. 103-108
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    ラオス農山村の地域住民の所得改善を目的とし,原木きのこ栽培の農村への導入のために,栽培適地の検討を行った。日本では一般的に林床で原木きのこ栽培は実施されるが,現地調査の結果,食用きのこは森林の内部ではなく,焼畑後の上層を樹木で覆われていない乾燥しやすい休閑地で採集されていた。採集されている食用きのこは乾燥耐性を持つ腐生菌であった。また,休閑地は腐生菌の生育環境となる切株や倒木が休閑地に多く,年間を通じて低い飽差値であるため切株や倒木が乾燥しにくい環境であった。本研究の結果から,ラオスにおける原木きのこ栽培は,日本とは異なり上層を樹木で覆われていない休閑地を活用できることが示唆された。

  • 東京ドームシティにおける事例研究
    毛 茂竹, 柳井 重人, 木下 勇
    原稿種別: 研究論文
    p. 109-114
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,東京ドームシティの東京ドーム前の公共広場を研究対象地として選定し,公共広場の長い線形ベンチにおける個人の座席選好を明らかにすることを目的に,調査を実施した。 現地観測を5 日間実施し,マッピングの結果に基づいて分析を行った。その結果、以下の点が明らかになった。1)アクセスルートに近いベンチは、他のエリアのベンチよりも個体数が多い傾向がある。2)個人がベンチのどこに座るか決める機会があるとき、彼らは通常、端の部分に座ることを好む。3)グループのカップルや個人はベンチの中央に座る傾向がある。4)個人はベンチの看板の前に座るのを避ける傾向がある。

  • 四方 勘太, 大野 暁彦
    原稿種別: 研究論文
    p. 115-120
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,タケノコ生産林における維持管理手法の現状と変遷について境界部に着目し明らかにした。対象地の京都府西山地域ではタケノコや竹材の生産が盛んに行われてきた歴史があり,高品質のタケノコを栽培するために,「京都式軟化栽培」と呼ばれる栽培法が確立している。しかしこうした竹林は減少傾向にあり,広域的な地理的分布変遷の分析から,竹林面積に対する竹林外周の長さが大きくなり,竹林が細分化されていることが明らかになった。またヒアリング調査と測量調査など各畑地での空間分析から,タケノコ生産林の境界は竹林外部からの要因により形成された境界と造成を伴うタケノコ生産手法に伴う境界がみられることがわかった。

  • 小玉 知慶 , 柳井 重人
    原稿種別: 研究論文
    p. 121-126
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,首都圏近郊都市の千葉県松戸市を対象とし,低未利用地の分布と住区基幹公園の配置状況について空間的側面から分析し,低未利用地を一定のルールに基づき管理運営され,地域住民等がアクセスし利用できる緑地(以下,公共的OS)としての活用可能性を考察した。その結果,①住区基幹公園の配置は,地域差があること,②公共的OS として活用しうる低未利用地は,宅地化農地が最も多いが,市街地縁辺部では空き地や樹林地も多いこと,③1,000 ㎡以上の面積の低未利用地は少なく,狭小公園との連携利用を含めた活用の可能性の検討の必要性も把握された。

  • 兵庫県丹波篠山市を事例として
    谷川 智穂 , 中塚 雅也
    原稿種別: 研究論文
    p. 127-132
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    日本の農山村地域においては,人口流出などによる高齢化や担い手不足による地域経済力の低下や空き家の増加などの問題が顕著に生じている。一方で田園回帰と言われるように,若者を中心とした農山村地域への関心の高まりが指摘され,過疎と呼ばれる地域への移住や起業の動きも少なからず発生している。本研究では,移住者による起業の立地条件を,周辺人口および交通アクセス性の面から分析し,一般的に起業に有利でない場所でも起業が発生していることを明らかにし,そういった場所における起業促進の可能性を指摘した。

  • 和田 有朗, 児玉 篤治
    原稿種別: 研究論文
    p. 133-138
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    生活系ごみの有料化実施都市である全国471 市を対象にアンケート調査を実施した。250 市の結果をもとに生活系ごみ有料化導入から現在までの制度運用を把握分析し,有料化の導入と制度変更が生活系ごみの排出量およびリサイクル率へ与える影響を考察した。単純従量制および指定袋方式を採用している市が大半を占めており,各都市においてごみの減量化を促すには住民意識の向上,負担の公平化が必要であることが示唆された。有料化の導入は生活系ごみの排出量を減少させ,リサイクル率の向上をもたらす可能性が示唆された。また,手数料水準の変更は手数料が増加すると生活系ごみ排出量を減少させる可能性が示唆された。

  • サクラマス産卵環境の持続的な創出にむけて
    佐藤 可菜恵, 渡邉 一哉
    原稿種別: 研究論文
    p. 139-144
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    渓流域でのサクラマスへ産卵環境の提供を事例として、作業者の身体負荷量を考慮し検討した結果、次の知見が得られた。1)1 日の活動時間は6 時間以内とし、そのうち造成作業は3 時間以内で完了する。2)造成面積は約2m2、適材の適量は約330kg。3) 造成数は4 か所を基準とする。4)造成環境の条件は次のように整理された。①「採集」は、河道に近接する陸域にて適材が約330kg 以上密に堆積する場所で実施する。②「整地」は、河床の掘り起こし作業が少なく、かつ、適材投入後の水深が30 ㎝程度となる場所で実施する。③「運搬」は、採集地から造成地までの経路ができるだけ陸域となる場所を選定する。 以上の条件は、渓流域における持続的な環境修復活動への重要な知見となる。

  • 生方 真奈 , 村上 和仁
    原稿種別: 研究論文
    p. 145-150
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    アンブレラ種であるシギ・チドリ類を指標として,谷津干潟(船溜り・三角干潟)の生態環境の状況分析を行った。生態環境状態指数(ECIeco)によると,夏は赤潮,青潮が発生し,全地点で生態環境が悪化したが,三角干潟では秋季から冬季にかけて生態系状態が回復した。シギ・チドリ類は,水質の指標である付着珪藻と底質の指標である底生生物の要素を含む生態環境状態指数 (ECIeco)との関係があることが示唆された。さらに,ハマシギCalidris alpina は地盤高と関係があることが示唆された。以上のことより,谷津干潟のアンブレラ種であるシギ・チドリ類の飛来数は,赤潮や青潮の発生により引き起こされる下位生態系の損傷の影響を受けていると考えられた。

  • 福地 孝哉 , 滝谷 美香, 梅木 清
    原稿種別: 研究論文
    p. 151-155
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    地位指数は,林分の成長の程度を示す,人工林管理において重要な指標である。しかし,地位指数の算出に必要な上層樹高を得るには,労力のかかる樹高測定が必要なため,多数の林分の地位指数を把握することは困難である。この問題を解決するため,航空機LiDAR データを使用して,樹高測定なしでトドマツ人工林の上層樹高を推定する方法を開発した。開発した方法は,高密度LiDAR データを必要とする個体抽出の過程を持たないため,低密度のLiDAR データにも適応可能である。この方法と,すでに広範囲で実施済の航空機LiDAR データを使用すれば,LiDAR データの密度の高低にかかわらず,広範囲のトドマツ人工林の上層樹高と地位指数を推定することができる。

  • 牧野 結衣, 平尾 聡秀, 梅木 清
    原稿種別: 研究論文
    p. 156-161
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    ニホンジカ(Cervus nippon)の採食圧が高い森林におけるシカ不嗜好性植物の分布域拡大の詳細な過程は明らかになっていない。そこで,奥秩父山地においてシカ不嗜好性植物であるヒトリシズカ(Chloranthus japonicus)とフタリシズカ(Chloranthus serratus)の分布域拡大の過程について調査を行い,1)シカの採食圧がシカ嗜好性植物を減らし,これによって種間競争が弱くなる,2)競争から解放されたシカ不嗜好性植物が分布域を拡大する,3)土壌水分量もシカ不嗜好性植物の分布に影響を与える,の3 点をデータに基づき明らかにした。

  • 大平 和弘, 大野 渉, 白取 茂
    原稿種別: 研究論文
    p. 162-167
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,鳴門海峡の眺望景観における構成要素および構成領域の現状と課題を評価した。28 の視点場の景観構成を分類した結果,A~K の11 タイプに分けられ,I・J・K が多層化した優れた視点場と示された。また,海峡の自然的な視対象の阻害要素として,大鳴門橋,建物,道路など7 種の阻害要素が抽出され,大鳴門橋は海峡に近い名勝指定地域の眺望に大きな影響を及ぼしていた。また,可視頻度分析により,対岸の建物や道路などの人工物が可視頻度の高い領域に位置する課題や,国立公園区域外の山地部も含めた景観構成領域の重要性が示唆された。

  • 中園 和憲, 炭山 大輔, 三谷 奈保
    原稿種別: 研究論文
    p. 168-173
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
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    トカラ列島口之島にはイタチが導入された記録がある。しかし,近年,テンの分布が確認された。本研究はイタチ科の種,分布状況および食性を明らかにすることを目的とする。センサーカメラ調査(53 台,のべ3,792 日)および糞由来DNA 解析(n=52)においてテンのみが確認された。糞の発見率は14 個/km であった。イタチは分布していないか超低密度で,テンの生息密度は比較的高いことが推測された。糞の食性分析(n=1,144)で,トカゲ類とミミズ,陸産貝類の出現頻度が他地域に比べ高かった。今後,これらの分類群の生息状況が悪化する可能性がある。現時点における固有種を含む在来種の生息状況を把握しておくべきである。

  • 高瀬 唯, 及川 真平, 榎本 忠夫, 堅田 元喜, 坂上 伸生
    原稿種別: 研究論文
    p. 174-179
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    道路法面にて,クズの繁茂が問題となっている。環境保全に配慮した持続可能で低コストの道路法面管理の実現には,クズの繁茂に対する人々の許容を高める必要がある。本研究は,現状で人々はどの程度の管理ならばクズが繁茂した景観を許容するのか,また,許容と関連がある景観評価者の特性は何かを明らかにすることにした。首都圏の住民を対象に茨城県内の高速道路の法面についてアンケート調査を行った(n=1,000)。クズがフェンスを越えた景観は多くの人から許容されず,フェンスを越える様子が全くなくても4 割以上という一定数の人々からは許容されないことを明らかにした。

  • 高橋 俊守, 菊池 紅音
    原稿種別: 研究論文
    p. 180-185
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    ハクビシン(Paguma larvata)は全国で分布を拡大しつつあり,農作物や家屋等における鳥獣害も増加している。本研究は,市町村による捕獲許可及び駆除会社による情報をもとに,市町村より小さな単位の小地域(町丁・字等)スケールでハクビシンの分布情報を可視化するための手法や課題について明らかにした。本研究を実施した宇都宮市では,捕獲許可及び駆除会社による情報は2013 年から2018 年の6 年間で326 件認められ,この内の254 件(77.9%)が,分布情報を小地域スケールで可視化することが可能な位置情報を有していた。小地域数でみると,ハクビシンの分布情報は2014 年以降一貫して増加しており,6 年間で市全体の小地域総数の16.0%において分布情報が認められた。

  • 清水 達也, 類家 翔, 村上 和仁
    原稿種別: 研究論文
    p. 186-191
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    現在,環境影響リスク評価手法として単一種試験が広く用いられているが,その種構成によって自然生態系における影響とは結果が異なる可能性があることが指摘されている。本研究では, 実験系であるマイクロコズムを用いて銀ナノ粒子および銀イオンのエコシステムレベルでの環境影響リスクを評価した。その結果,複数種生物試験であるマイクロコズム試験は,高感度の単一種試験と同等のレベルで銀ナノ粒子,銀イオンの生態系影響を評価することができた。さらに,マイクロコズム試験は自然生態系に近いレベルでの影響を分析することが可能である。

  • 田端 敬三
    原稿種別: 研究論文
    p. 192-197
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    奈良市近郊の二次林でヤマザクラの開花状況を調査し,対象個体サイズ,立地条件 (土壌理化学性,地形条件),周辺競争木の影響要因との関係を検討した。その結果,対象個体サイズおよび周辺競争木のサイズと近接度が各々,開花に影響していた。開花予測に適したモデルを複数検討したところ,上位5 つのモデルでは,対象個体の樹高あるいは樹冠投影面積,生育地点の土壌可給態リン酸含量,傾斜角,半径3~6 m に位置する競争木とヤマザクラ対象個体との胸高直径あるいは樹冠投影面積の相対比の総和が説明変数として選択された。このことから,ヤマザクラの開花を促すには,半径3~6 m に位置する競争木の密度管理が有効であることが示唆された。

  • 趙 建曄, 姜 佳怡, 胡 嘉誠, 馬 嘉, 三谷 徹, 章 俊華
    原稿種別: 研究論文
    p. 198-203
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は、満州国時期における公園の空間構成と特徴について分析したものである。12 ヶ所の公園を研究対象とし、公園の地形、公園周辺用地、公園面積の3 つの敷地状況と、建築と施設の類型、水と園路の形状の4 つの構成要素に基づき、クラスター分析法を用いて3 つのグループに分けることができた。その結果、A グループでは公園面積が2560ha に集中し、全体の形態が狭く長く、水辺に園路が設置されている。B グループでは公園面積が025ha で、建築類型が多様で、園内の人工池と回遊式園路で構成されている。C グループでは公園面積が60ha 以上(1 ヶ所を除く)、都市の中心部から離れ、郊外山岳地形により、建築、施設、園路が配置されている特徴が明らかになった。

  • 佐々木 章晴
    原稿種別: 研究論文
    p. 204-209
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    野付湾は,アマモ(Zostera marina)が生育しており,ホッカイエビ(Pandalus latirostris)の漁場になっている。野付湾および湾外南側のアマモ場の流入河川の流域土地利用が河川水質に与える影響と,河川水質がアマモに与える影響について検討した。河川の流域森林率が低下し,流域窒素投入量が増加すると,河川水中のNO3-N,K,Caが増大した。そして,河川水中のNO3-N,K,Caが増大すると,アマモの生育質量が低下した。アマモ生育質量の低下は,NO3-Nの増加に伴って増大する未知の生育抑制物質が増加していることが原因ではないかと考えられた。

  • 拡大リスク増大下での適応にむけて
    平田 晶子, 髙野(竹中) 宏平, 相原 隆貴, 中尾 勝洋, 津山 幾太郎, 唐 勤, 松井 哲哉, 肱岡 靖明
    原稿種別: 研究論文
    p. 210-215
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    気候変動にともない,西日本を中心に問題となっている竹林の拡大が,より高緯度,高標高域でも深刻化することが懸念されている。本研究では,日本と中国におけるマダケ属の分布情報と気候データを用い,マダケ属の潜在生育域を日本全土で推定する統計モデルを構築した。さらに現在と将来の潜在生育域の変化から,気候変動によって竹林の拡大リスクが増大する地域を推定した。その結果,東北地方から北海道の低地を中心に生育確率の上昇が予測された。西日本でも,広い範囲で現在より生育確率が上昇する傾向がみられた。気候変動による拡大リスクの変化を考慮しつつ,竹林の新規植栽や管理のあり方を検討する必要がある。

  • 弘化2(1845)年木曽川通国役普請絵図より
    馬場 慎一
    原稿種別: 研究論文
    p. 216-221
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    近年の河川は,降雨量増大や樹林化により流下能力の低下が進んでいる。また,環境面から整備や管理において自然との共生が求められている。このため,治水の歴史を知り,先人の智恵に学ぶことが肝要である。木曽川上流部では,近世に国役普請が多数回行われ,現役の治水施設も多い。そこで,洪水普請絵図に基づき,河道特性と工事の設計思想を分析した。その結果,治水工法は礫床河川に用いられる石水制を主体として,沈枠などで洗掘防止を図っていたことが明らかになった。

  • アーケード商店街における温熱環境調査
    三坂 育正, 石丸 泰, 嵐 涼輔 , 奥津 ノンナパット , 山口 竜
    原稿種別: 研究論文
    p. 222-227
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    地域の特性に着目した暑熱環境適応まちづくりの推進を目的として,アーケードが設置されている商店街に着目し,歩行者の熱ストレス低減効果の検証を目的とした調査を行った。アーケード下の空間は,日向と比較してSET*が低く,暑熱環境の緩和効果を確認できた。また,歩行時における皮膚温度上昇抑制や発汗量の低減,人体熱収支における蓄熱量の大幅な低減などの熱ストレス低減効果を検証できた。今後,高温化や高齢化が進む中で,高齢者が安心して歩いて買い物ができる空間としてのアーケード商店街の維持に向けて,新たな付加価値として暑さ対策などの気候変動への適応について検討した。

  • 西原 大貴, 大橋 唯太, 重田 祥範
    原稿種別: 研究論文
    p. 228-233
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    広島県の三次盆地では, 西日本で最大規模の放射霧が形成される。本研究では, 江の川の河川敷と高谷山の斜面の計3 地点で, ドローンを利用した放射霧の鉛直観測を実施した。標高の異なる3 地点で測定された気象データを鉛直方向に接合し, 霧層全体の大気情報を取得した。ドローンで撮影した映像から推定された霧層の厚さは日によって差があり, 放射冷却の開始時刻の違いや夕方と早朝の比湿差が関与していた。また, 霧層が厚く発達する日は, 高度100~150m に気温の逆転層が前日の夕方または夜間に形成されている共通性が確認された。本研究の結果から, ドローンが鉛直方向の大気情報を取得するツールとして有効であることが明らかとなった。

  • こおりやま広域連携中枢都市圏を事例として
    辻 岳史, 戸川 卓哉, 大場 真
    原稿種別: 研究論文
    p. 234-239
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    中小規模市町村の気候変動対策に係る基盤整備と推進体制構築の実態と阻害要因をこおりやま広域連携中枢都市圏の事例分析から考察した。行政資料の分析と環境政策担当課への半構造化インタビュー調査から以下の結果が得られた。第一に,気候変動対策に係る基盤のうち地球温暖化対策実行計画(区域施策編)の策定は16 中4 市町であり,地域全体の対策に関する基盤整備に着手している市町村は少数である。第二に,気候変動対策に係る基盤と推進体制の実効性は,緩和策に関しては災害発生などの環境要因により損なわれることがあり,脆弱性がある。第三に,気候変動対策に係る行政と地域団体との連携は,自治体規模と対策分野により実施状況が異なる。

  • 滋賀県米原市醒ヶ井地区を対象として
    武田 竜治, 菅原 遼, 畔柳 昭雄
    原稿種別: 研究論文
    p. 240-245
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,水郷集落が多数立地する琵琶湖周辺に着目し,水郷集落の立地分布を把握した上で,湧水利用が盛んな米原市醒ヶ井地区を対象に,水路及び水利施設の利用管理の特徴を把握した。その結果,抽出した水郷集落61 ヶ所に関して,集落の立地分布と水路形態の傾向を整理し,上水道整備前後における水路利用の変化を把握した。また,醒ヶ井地区では,湧水の特性を活かし,現在においても洗い場や生簀等の水利施設を介した住民と湧水との係わりを確認でき,特に,集落の形成過程に応じた特有の水路及び洗い場の利用管理の実態を捉えた。

  • 市民会議の質問票分析から
    山田 美香, 竹内 真司, 松本 礼史, 松岡 俊二
    原稿種別: 研究論文
    p. 246-251
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    2000 年の最終処分法で高レベル放射性廃棄物の地層処分を法制化するが,国民の関心は限定的であり社会的議論形成が求められる。本研究は,市民と専門家による3回の市民会議を実施し,会議前後6 時点の時系列の変化を質問票で測定し,社会的受容性の4要因(技術・制度・市場・地域)の影響を考察した。2 つの評価分析より,参加市民の政策選好の特徴として:政策選好が一貫する,反対から賛成に変化する,政策選好が変動する,3つのグループが示された。また,政策選好の判断に技術要因と制度要因の間に高い相関性が示された。そして,会議内では否定的に,日常生活を挟んだ会議間では肯定的に評価が変化する規則性のある参加市民も観察された。

  • 施工技術および断熱施工精度が戸建住宅の熱性能に及ぼす影響の評価
    吉留 大樹, 石井 靖彦, 小野田 弘士
    原稿種別: 研究論文
    p. 252-257
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    国内の戸建住宅における省エネ基準は,設計時の外皮性能および一次エネルギー消費量のみで評価されるため,施工技術や断熱施工精度による影響の実態が明らかになっていない。そこで,本研究ではあるモデルハウスにおける温湿度・HEMS データの実測評価および標準住宅モデルにおける熱収支シミュレーションの分析により,施工技術や断熱施工精度の影響を定量的に評価した。その結果,現行基準やトップランナーの住宅では施工技術や断熱施工精度の影響が大きく,除霜期においてはその熱損失が6 割以上を占めることが示された。

  • 農山漁村再生可能エネルギー法に着目して
    安喰 基剛, 長岡 篤, 錦澤 滋雄, 村山 武彦
    原稿種別: 研究論文
    p. 258-263
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    再生可能エネルギーの導入が進められているが,それには地域との調和・地元調整の円滑化の課題が指摘されている。本研究では,再生可能エネルギーの地域共生の観点から,農山漁村再生可能エネルギー法に着目し,市町村へのアンケート等の調査によって,地域と再生可能エネルギー事業の共生を可能とする要因を明らかにすることを目的とした。その結果,地域便益の創出が再生可能エネルギーの地域共生に影響していることが明らかとなった。そして地域共生の仕組みを農林漁業振興型と地域課題解決型に分けたうえで,それらの特徴を考察した。

  • 北海道紋別市の事例
    吉 凱文, 錦澤 滋雄, 長岡 篤, 長島 匠
    原稿種別: 研究論文
    p. 264-269
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本論文は,北海道紋別市のバイオマス発電施設の事例を対象として,発電所事業者へのヒアリング調査と発電所周辺に居住する住民へのアンケート調査を実施し,事業者による受容性向上施策の実態とそれに対する住民の反応を把握するうえで,受容性に及ぼす要因を明らかにすることを目的とした。その結果,事業者によるさまざまな環境配慮がとられていることに加えて,説明会,自主アセスメント,環境教育への協力等が行われていることが確認された。一方,地域住民は景観への影響を除いて,施設による影響に対する不満は顕著ではないこと,施設と住居との距離の確保,手続き公正性や情報共有等に対して重要と考える傾向にあることが明らかとなった。

  • 日本・アイスランド・ニュージーランドの比較
    竹前 由美子
    原稿種別: 研究論文
    p. 270-275
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    地熱発電は利点も多く期待が寄せられているが,日本では開発にあたり課題が見られる。その一つであるリードタイムの長さは事業者にとって大きな開発リスクとなっている。諸外国ではより短期の開発が実現されているという指摘もあるが,開発プロセス全体に注目する研究や比較分析する研究は管見の限り少数にとどまる。本稿では地熱開発の各プロセスとそれに要する期間という観点から,日本とアイスランドとニュージーランドを比較した。両国では環境影響評価前と環境影響評価の期間が短いことが示された。特に事業者が調整しなくてはならない公共主体の少なさ,事業開始前の段階の公共主体の取り組みが期間の短縮に寄与していると強く示唆される。

  • 竹内 彩乃, 石井 涼子
    原稿種別: 研究論文
    p. 276-280
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    風力発電事業の事前調整は,環境影響評価手続きの配慮書段階で行われることが期待されてきたが,近年ではその前の適地抽出の段階で地域特性も踏まえた事前調整の必要性が認識されている。本研究では,隣接自治体との事前調整の手続きについて考察するために,調整が困難となった事例を対象に,隣接自治体の関係者へのヒアリング調査を行なった。その結果,適地抽出の段階でステークホルダーとの事前調整を開始することが有効であること,ステークホルダーとの信頼関係の醸成において立地予定場所の視察が有効であること,事前調整の好事例を蓄積し,事業者の意識を変えていくことが必要であることが示唆された。

  • 長島 匠, 白井 威流, 村山 武彦, 長岡 篤, 錦澤 滋雄
    原稿種別: 研究論文
    p. 281-286
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では地熱可能性のある103 自治体に対して質問紙調査を行い,地熱施策の現状・意向の傾向,便益/リスクに関する認識との関係を分析することによって,今後の地熱開発の意向と関連要因を明らかにすることを目的とした。この結果,回答した自治体の約2 割が地熱開発に積極的な意向を示し,これまでの地熱関連の具体的な政策との関連があった。また,自治体の意向と便益やリスクに関する項目との関連を分析した結果,地域のエネルギー自給による便益や富の域外流出に関するリスクといった「地域の自立性」が関連することが明らかとなり,地域主導による地熱開発が自治体の積極的な意向につながる可能性が示唆された。

  • イギリス・ドンレイ 地域協議会を事例に
    朱 鈺, 山田 美香, CHOI Yunhee, 松岡 俊二
    原稿種別: 研究論文
    p. 287-292
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    原子力発電所の廃炉による社会的課題に対応するには,住民参加の促進が必要である。イギリスでは,住民参加を促進するため,廃炉政策の社会的意思決定に関する地域対話を進めている。本研究はイギリス・ドンレイ原発の廃炉計画をめぐる地域対話を事例とし,住民参加の代表例としてドンレイ地域協議会に着目し,政策選択への影響要因を考察した。その結果,ドンレイ地域協議会の廃炉政策の選択が市場的要因に影響され,また,制度的要因が市場的要因の機能と関連していることが示された。

報告
  • 森崎 玲大, 井福 絢音, 金澤 朋子, 小島 仁志, 小谷 幸司
    原稿種別: 報告
    p. 293-298
    発行日: 2020/12/07
    公開日: 2020/12/07
    会議録・要旨集 フリー

    本報告では,レクリエーションや環境教育等の重要な機能を有する公園緑地である動物園を対象に,利用促進の一端を担うと考えられる飲食サービスに着目し,その実態と課題を明らかにするとともに,今後の飲食サービスのあり方に関する提案を試みた。その結果,地元食材の使用等が来園者増に貢献しており,動物園の半数以上はメニューの充実が利用促進に繋がると認識する一方,こうしたサービスの提供には主に人手不足が課題であることが把握された。また,レストランの利用者は少ないものの,提供メニューの充実が来園意向に強く影響することも把握された。以上の結果を踏まえ,動物園における今後の飲食サービスのあり方を提案した。

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