環境情報科学論文集
最新号
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研究論文
  • 河越 信二郎
    原稿種別: 研究論文
    p. 1-6
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,SDGs を通じた都市と農村の補完連携について,SDGs 未来都市の事例から考察した。SDGs 未来都市計画から,都市・農村の補完連携の取組を抽出し,環境省が示す地域循環共生圏の圏域に照らし合わせて考察を行った。その結果,流域のつながりなど地理的に近接した自治体による水源涵養などの取組だけでなく,地理的に離れた都市・農村間においても,木材の生産・消費,オフセット事業などで,共通した課題やテーマに関する補完連携の取組が確認された。このようなSDGs 未来都市計画における都市・農村間の補完連携の特徴が明らかになった。

  • -亀島川・天王洲運河周辺住民を対象として-
    長谷川 演恒, 畔柳 昭雄
    原稿種別: 研究論文
    p. 7-12
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,治水整備による水辺活用に向けた住民意識の把握を目的として,東京都心部の水門内水域を有する亀島川と天王洲運河を調査対象として選定し,周辺地域の住民を対象に水辺環境に対する意識・評価についてアンケート調査を行った。その結果,3 つの点を明らかにした。 ① 水辺の清浄度や景観性を評価し,接水性に対しては不満を感じている。② 住民は水辺の快適性を享受する一方で不快性は感じていない。③ 住民は生活環境形成に水辺を重要な要素としている。

  • 鎌田 正行, 坂部 創一
    原稿種別: 研究論文
    p. 13-18
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    共感的ネット利用が多い学生ほど,レジリエンスが高い傾向を示すとの仮説を設定した。共感力やネット依存症傾向とSNS 疲れの要素も含めて大学生を対象に縦断調査を行い,共分散構造分析によって分析した結果,仮説は検証された。このことから,情報化社会におけるレジリエンスの向上策として,ネット依存症傾向やSNS 疲れのような過剰依存にならない適度の共感的ネット利用の有効性が示唆された。

  • ―リアウ州・ルクン村の事例
    市原 純, 原田 一宏, 森 雅典
    原稿種別: 研究論文
    p. 19-24
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,インドネシア国リアウ州メランティ諸島県の村落を対象に,地域住民が行政や企業と連携して行う森林泥炭火災対策の現状について明らかにし,火災管理の課題を提示することを目的とする。 2014 年の大規模火災を契機に,同県ルクン村では,州や県の火災関連行政機関との協力のもと,住民消防隊(MPA)の設立,消火設備の強化,火災の啓発活動の推進,水路止め(カナルブロッキング)の設置などの体制強化が進められた。今後とも,MPA を中心とした住民の努力に加え,資金やトレーニングなどにおける行政の継続的な支援が,効果的かつ持続的な火災対策の実施のためには不可欠である。

  • - 神戸市営地下鉄をケーススタディとして
    小塚 みすず, 吉田 正樹
    原稿種別: 研究論文
    p. 25-30
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    エスカレーターは利用者を効率よく大量に輸送できる装置として広く普及している。多くの人が利用する乗り物だからこそ,安全で安心して利用できることが求められる。しかし,エスカレーターにおける事故は後を絶たない。そこで本研究では,神戸市営地下鉄を対象に,エスカレーター事故のデータを整理し,事故の要因および状況からその特徴を解析的に明らかにする。分析の結果,飲酒での利用や高齢者は事故発生のリスクが高く,とくに高齢者は救急搬送されるケースが多いことが示された。また,時間帯によって事故要因に特徴がみられることも明らかとなった。

  • 黄 琬惠
    原稿種別: 研究論文
    p. 31-36
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    台湾では農村の活性化を目的として,農村再生事業を2010年から10年間にわたって実施してきた。本研究では832集落の農村再生事業計画書を解析することによって,台湾におけるグリーンツーリズムの実態を解明した。その結果,台湾における観光資源の整備状況では,ソフト面のサービス提供が重視されている一方,漁村集落の滞在型観光の推進策が不十分であった。さらに,民泊分布と観光資源との重回帰分析から,観光客の滞在時間を延ばす立地的要因と観光資源の種類を特定し,宿泊を促すグリーンツーリズム整備を提案した。

  • ~山口県山陽小野田市の事例から~
    中村 洋, 福田 みのり, 宇野 直士
    原稿種別: 研究論文
    p. 37-42
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    山口県山陽小野田市で「いきいき百歳体操」に取り組む高齢者1,424 人の参加初回から3 年後にかけての体力測定結果や生活体力に関する回答について,初回と最大3 年後までの結果の違いや参加回数と介護給付費の相関を分析した。その結果,先行研究と同様に短期的な効果に加え,血圧やMFS(Motor Fitness Scale)の合計点など中期的な効果があることも分かった。3 年後にかけて介護度も改善しており,参加回数が多いほど,介護給付費や調剤費が減少することも分かった。 今後の課題として運動の継続性や性別による参加の違いを明らかにする研究が必要と考えられる。

  • 熊井 優, 松尾 薫, 武田 重昭, 加我 宏之
    原稿種別: 研究論文
    p. 43-48
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,大阪府下の19 市町のため池ハザードマップの記載情報と表現方法からその記載内容について把握し,ため池災害についての住民への理解を促し,住民のため池ハザードマップの利用を促進するための課題を探った。その結果,ため池ハザードマップの記載内容は,ため池の基本情報,浸水想定マップ内の表記,災害や避難に関する情報,平常時の備えに関する情報に分類でき,各市町で記載内容に工夫がみられた。さらに,ため池災害時の対応と平常時の備えの観点からため池ハザードマップの現状の到達点と課題を考察した。

  • 近藤 紀章, 田中 勝也
    原稿種別: 研究論文
    p. 49-54
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    COVID-19 pandemic が,都市における交通行動,特に自転車との関係に与える影響を明らかにするために,ポートランドでのアンケート調査をふまえて分析した。Pandemic は健康,収入に影響を与える一方で,通勤や子育て,介護といった社会属性によって影響が変わる。交通意識と通勤実態から,15 分以内の近距離通勤には大きな変化はないものの,徒歩による公共交通のFirst mile とLast mile が減少している。 ロジスティック回帰分析の結果から,公共交通機関など他の移動手段と組み合わせて自転車で移動するBike Mix の実践者は,Pandemic にかかわらず,Mobility 向上の志向性が示された。また,Pandemic 前は女性が,Pandemic 後は単身者や低所得世帯が実践しにくい特徴も明らかとなった。

  • 平山 奈央子
    原稿種別: 研究論文
    p. 55-60
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,琵琶湖流域の環境評価に影響を与える要因を明らかにすることを目的に,流域住民を対象としたアンケート調査を実施し,得られた1102 件の回答を使って共分散構造分析を行った。その結果,1)琵琶湖に対する愛着が強い,もしくは,琵琶湖に関する情報源の種類数が多いほど,琵琶湖への関心が高く,それらの人は水質と生態系の評価が高い傾向にあること,2)情報源の種類数が多い人は知識レベルが高く,それらの人は水質の評価が高い傾向にあること,3)安曇川流域では琵琶湖に対する関心が高い人ほど生態系や水質の評価が高い傾向が見られたが,野洲川流域ではそれらの傾向は見られないことが明らかにされた。

  • 村上 健太郎
    原稿種別: 研究論文
    p. 61-66
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では稀少な樹幹着生シダ類ビロードシダ(Pyrrosia linearifolia)が石積みを含めた壁で生育できるかを調査した。その結果,全国3 地点計14 箇所の壁で本種の群落の成立を確認した。本種が記録された壁の多くは垂直に近く,他の着生シダ類も確認された。確認された壁は天然石による石積み壁と平滑なコンクリート・モルタル壁が7 箇所ずつ(50.0%)であった。斜面方位は有意に偏っており(Rayleigh 検定 p<0.01),北面から東面に集中していた。本種以外の稀少な着生シダ類がどれだけハードスケープに生育できるのかは未知であり,ビロードシダの生態についても研究の余地があるものの,今後,着生シダ類の保全にハードスケープを活用できる可能性があると考えられた。

  • 本田 裕子
    原稿種別: 研究論文
    p. 67-72
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    コウノトリの野生復帰について,本研究では最初に放鳥を実施した兵庫県豊岡市,野外繁殖が成功している島根県雲南市,野外繁殖が期待される茨城県神栖市でそれぞれ実施したアンケート調査結果から,住民のコウノトリの捉え方を比較した。目撃経験の割合が低い神栖市でもコウノトリそのものの認知は高く,「環境のバロメータ」として肯定的に捉えられていた。コウノトリを地域資源と見なすには野外繁殖が数年間成功することが前提になるという示唆が得られた。「環境のバロメータ」として住民から受け入れられること,野外繁殖が数年間成功していくことで地域資源とする捉え方になると期待される。

  • 片岡 佑太, 芳賀 智宏, 松井 孝典, 町村 尚, 鶴田 健二, 木村 道徳
    原稿種別: 研究論文
    p. 73-83
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    地域循環共生圏では,SDGs の複数の目標を同時に達成しうる持続的かつ多面的な視点からの森林資源管理が必要不可欠である。本研究では滋賀県を対象に森林景観モテ゛ルのLANDIS-II を用いて木材生産と炭素固定サービスと樹種の多様性の変化をシミュレーションし,琵琶湖森林づくり基本計画と現在の施業方法の二つの森林管理シナリオを比較した。その結果,森林のゾーニンク゛と積極的な森林管理は,木材生産と炭素固定サービスを同時に向上させ,樹種の多様性を劣化させないことが示唆された。樹種の多様性とこれらの生態系サービスのトレート゛オフを回避しつつ,持続可能に地域を脱炭素化できる森林管理計画の立案に貢献することが期待される。

  • :市町村を対象にした全国アンケート調査から
    八巻 一成, 高橋 佳孝
    原稿種別: 研究論文
    p. 84-89
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    全国の半自然草原を対象に実施したアンケート結果を用いて,草原の維持管理に関する現状と課題を明らかにした。その結果,かつては放牧や採草,茅採取等によって成立していた草原の多くが,観光や生物保全を目的として維持管理されていた。一方,草原の維持管理には市町村に加えて集落の役割も大きく,地元コミュティの負担が大きくなっていた。また,NPO による管理やボランティアの参加等,草原の維持活動に新たな主体が関わる傾向が見られた。以上のことから,市町村や地元コミュニティに加えてNPO やボランティアのような市民セクターとの連携,協力体制の構築が重要と考えられた。

  • 李 珣媄, 黒田 乃生
    原稿種別: 研究論文
    p. 90-95
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,韓国の昌徳宮と日本の二条城を事例に,世界遺産登録から現在までの遺産の緩衝地帯内外における周辺空間の変化を分析した結果,正門中心の整備,街区別の変化の差異,韓屋型・町家型の消滅,観光客向け駐車場の増加及び住民向け駐車場の減少等の課題が確認された。 これらのことから現在の文化財部署,景観部署による新築建物の高さ,デザイン等外観に関する景観中心の規制だけでは世界遺産の周辺地域の管理に限界があると考えられる。

  • 押田 佳子
    原稿種別: 研究論文
    p. 96-101
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,江戸名所図会に記載された御神木を対象とし,東京都心における御神木の継承実態を明らかにするべく調査を実施した。その結果,御神木のうち現存樹については物理的な継承を維持すべく良好な状態を保つための配慮がなされ,枯死樹では境内に御神木があるという状態を保つために2代目以降を植栽する傾向を捉えた。さらに現存樹の多くは,御由緒に関東大震災や戦災を受けながらも生き抜いたエピソードによりたくましさを付加する形で継承され,その重要性を増していることを捉えた。枯死樹については,本来の御神木はあくまでも初代御神木であるという認識から,枯死樹を祀り継承する傾向を捉えた。

  • 小林 剛, 末継 淳, 李 京
    原稿種別: 研究論文
    p. 102-106
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    2017 年に土壌汚染対策法にクロロエチレン(VC)が特定汚染物質として追加された。本研究では,このVC に着目して,揮発性有機塩素化合物(CVOC)の不飽和土壌中での挙動について測定評価した。4 種の土壌への各CVOC の吸着・吸収特性を測定し,不飽和土壌中での各相への分配割合を算出した。CVOC の種類や土壌の種類の違いによって,各相への分配割合は大きく異なった。VC は降水等の環境変化の影響を受けやすく,調査や評価の際等には注意を要することが分かった。

  • 今西 亜友美, 須多 望
    原稿種別: 研究論文
    p. 107-112
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,野生獣3 種と外来種6 種の被害の認知度および駆除意識と,駆除意識に関係する要因を明らかにするため質問紙調査を行った。野生獣3 種による被害の認知度はいずれも高い一方で,外来種の種および被害の認知度は種によって差があった。駆除意識には主に,性別,年齢層,当該種の被害の認知度が関係していた。野生獣や外来種の駆除プロジェクトを実施する際には,当該種による被害を具体的に説明することが重要であると考えられた。

  • 王 運逹, 蘇 暢, 趙 建曄, 姜 佳怡, 章 俊華
    原稿種別: 研究論文
    p. 113-118
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は、中国北方の私家庭園における建物配置と庭の空間的特徴を検討した。建物の配置、軸線、開閉性の観点から、22 の庭園を3 グループに分けた。所有者の身分、庭園の所在地、庭園の門の位置が分類に影響していた。A グループでは、建物は多種の配置形式を持っているが、東側に置かれている。また、庭は多種の空間レベルに分割できた。B グループでは、正方形の外庭があり、建物は東西に均等に配置され、かつ、庭園の景観要素を囲んでいる。C グループでは、大型の建物は庭園の真北に位置し、庭園の景観要素と同じ軸を持つ。南側は開放的で明るい。

  • 永野 亜紀
    原稿種別: 研究論文
    p. 119-124
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は政府のトップダウンによる地球温暖化対策であるクールビズについて,メディアが何を市民に伝えたのか,市民はどのように評価したのかを明らかにする事を目的とする。分析データは新聞報道の抽出記事,並びに,読者の投書記事をテキストデータ化し,内容分析と感情分析を用いた分析をおこなった。内容分析の結果からクールビズの報道は経済政治面に集中していたが、これにはクールビズの官製需要の側面が関係していると考察する。また,感情分析の結果からすべての感情極性値はネガティブな値を示していた。これは気候変動に関する人々の行動変容の観点から必ずしも悪い結果ではないと考える。

  • 三坂 育正, 李 亜娟, 瀧澤 恒太, 根井 勇太
    原稿種別: 研究論文
    p. 125-130
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    暑熱適応のまちづくりに向けて,まちなかへのクールスポット設置による暑さ対策に着目し,夏季における日向歩行後に滞在する空間に関して,温熱環境の違いによる人体熱負荷や心理反応への影響などの熱ストレス低減効果を評価することを目的として,被験者による実験を行った。実験の結果,暑熱環境歩行後に滞在する空間の温熱環境の違いにより,人体生理・心理反応,人体熱収支や上昇した心拍数の回復等の面で効果を確認することができた。以上の結果を参考にして,まちなかに設置するクールスポットとして適した温熱環境条件や休憩時間について検討した。

  • 金 再奎, 岩川 貴志, 木村 道徳, 松井 孝典, 齊藤 修, 堀 啓子, 芳賀 智宏
    原稿種別: 研究論文
    p. 131-136
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    滋賀県を対象とし,ネットゼロ社会の実現に向けた地域主導型の木質バイオマスエネルギー利用シナリオを作成した。シナリオ中では,木質バイオマスの需給量,作業時間,経済効果などを定量的に求めた上で,自然を基盤とする解決策(NbS)の観点から,シナリオの実現が地域社会にもたらしうる便益を多面的に推計,評価した。多面的な便益の定量評価は,社会課題を解決するための取り組みの進捗管理や長期的モニタリングにも有用であることを示唆した。シナリオの実現に必要な要素として,木質バイオマスをエネルギーとして利用する際の,利用者やコミュニティに求められる行動変化や活動変化について考察した。

  • -浜松市を事例として-
    村松 千夏, 長岡 篤, 錦澤 滋雄, 村山 武彦
    原稿種別: 研究論文
    p. 137-142
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    近年,太陽光発電の普及が進んでいるが,法制度の整備が十分ではなく地域とのトラブルが起こる事例がみられる。本研究では,静岡県浜松市を対象に,施設の立地実態を把握し,その特性について生活環境・災害・事業の累積性の3 つの視点から立地特性を分析することで,地域との共生を目指した太陽光発電の導入について示唆を得た。地理情報システムを用いた分析の結果,災害指定区域や市街地等の災害時や生活環境に影響を及ぼす可能性の高い地域で施設が多数設置されていることがわかった。また,小規模な発電施設が隣接して大規模開発とみなせるような施設が確認され,事業の累積性について留意すべきことが明らかとなった。

  • 鳥居 駿, 鍋島 美奈子
    原稿種別: 研究論文
    p. 143-148
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    人口減少や家庭ごみの減量化に伴い,ごみ収集システムの見直しが求められている。本論文では,大阪市城北事業所のごみ収集車の走行経路をGIS に入力し,道路総延長と走行距離の相関関係を解析し,小地域を基礎単位とする収集エリアを設定し,家庭系ごみ収集にかかるCO2 排出量算出モデルを構築した。このモデルでは,工場位置や人口に応じて,2段階のエリアを設定し,走行距離を推定し,収集車の燃費を考慮したCO2 排出量を推定する。このモデルを用いて,焼却工場の数や位置,ごみ排出量原単位と人口を変化させたケーススタディを行い,2015 年人口・原単位のケースでは,収集車からのCO2 排出量は運搬時が8割,収集時が2割を占めることなどが分かった。

  • 重 浩一郎, 坂口 芳輝, 坂巻 隆史, 西村 修
    原稿種別: 研究論文
    p. 149-154
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    2050 年ゼロカーボンシティ宣言を行った人口1 万人以下の市町村では9.8%にとどまる。そこで,再生可能エネルギーによるCO2削減量と森林のCO2吸収量との和のCO2排出量に対する割合を「地域炭素循環率」と定義し,宣言をしたものの実行計画未策定の170 市町村を対象に現状を分析した。その結果,既に27 市町村でゼロカーボンシティであるとも言える地域炭素循環率100%以上であった。100%を超えた市町村は,森林吸収量が多く,再生可能エネルギー導入ポテンシャルに対する活用率が低い特徴が明らかになった。2050 BAU 排出量推計では,人口減少により地域炭素循環率100%以上の市町村が43 に増加すると見積もられた。

  • 吉岡 剛, 松橋 隆治
    原稿種別: 研究論文
    p. 155-160
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    2012 年7 月から開始された固定価格買取制度により,特に太陽光発電の導入が進んでいる。一方,太陽光発電の予測誤差による系統のインバランスが大きな問題になりつつある。そこで,本研究では地域新電力が電力・水素複合エネルギーシステムにより,インバランスリスクを軽減させる方策について事業性評価を行った。その結果,本研究で設定した水素製造の条件のもとでは,新電力事業者は水素製造を行うことで,インバランスリスクを回避することを示した。とりわけ調達電源として複数の電源を組み合わせることや予測誤差が大きい場合はより大きな水素製造設備を設置することがより経済的であることがわかった。

  • 須崎 貫太, 仲吉 信人
    原稿種別: 研究論文
    p. 161-166
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    グローブ温度計を1 ヶ月間屋外に設置し続け,グローブ表面のメンテナンス頻度や方法により温度精度に違いが生じるか調査した。直径4 mm の小型グローブ温度計を10 個用い,5 つずつ黒色塗装,白色塗装を施し,表面を毎日水拭き,1 週間に1 度水拭き,1 週間に1 度乾拭き,2 週間に1 度水拭き,メンテナンス無しの5 パターンでの精度変化を確認した。グローブ温度計の表面汚れは降雨や風によって減少することが明らかになった。

  • 柴田 直弥, 錦澤 滋雄, 長岡 篤, 村山 武彦
    原稿種別: 研究論文
    p. 167-172
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    2013 年から導入が本格化したソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)は,導入推進にあたりさまざまな課題が発生している。本稿では,自治体へのアンケート調査を通じ,ソーラーシェアリングの導入実態,それに対する自治体の意向, それを踏まえた今後の導入促進に向けた課題を考察した。その結果,自治体にとってソーラーシェアリングは再生可能エネルギーの促進と営農の継続的発展を両立できるものとみなされていない傾向が明らかになった。具体的には,再生可能エネルギー推進の必要性を認める一方で、農業へのネガティブな影響を懸念する自治体が多い。今後,優良農地を確保しつつ耕作放棄地などを有効に活用できる仕組みを整備し,優良事例を促進していく必要があると考えられる。

  • 松本 安生, 松本 真哉, 水野 建樹
    原稿種別: 研究論文
    p. 173-178
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    若い年代ほど環境に対する意識が低いことが,これまでの世論調査で示されている。こうした世代間差異の要因として,人生における経験(ライフイベント)が注目されているが,子育てなどの経験が環境に対する意識や行動を高めるかどうかは定かでない。一方,日本では1990 年代からの学校での環境教育により,環境意識の高まりが期待される。本研究ではライフイベントと環境教育の経験が日本人の環境意識にどのように関わっているのかをアンケート調査により検証した。この結果,環境教育の経験や家事の分担,第一子の子育ての経験が,20 代や30 代における環境意識を高め,世代間差異を縮小する方向に影響していることを明らかにした。

  • 小林 昭裕
    原稿種別: 研究論文
    p. 179-184
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
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    既往研究で登山者のリスクに対する認識や対応が遭難を左右すると指摘された。本研究では,登山者のリスクに対する注意度,事前情報取得,リスクの気づき(気づきにくさを含めて),リスクの予見回避に着眼した。分析を通じ,注意度を中心として,個人属性の違いや相互の関係性を把握し,事例対象山域の遭難対策を改善する手がかりを探索した。その結果,注意度と個人属性との関連性が認められたほか,注意度が高い場合,事前情報の獲得が促され,事前情報や注意度の違いが,リスク対象の察知や認知に影響することが示唆された。さらに,注意度の違いによって,予見回避性に相違が認められたので,回避行動との関連を検討する必要がある。

  • ~台湾からの訪日着地型観光を事例として~
    島宗 俊郎, 伊藤 雅一
    原稿種別: 研究論文
    p. 185-190
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究の目的は,台湾からの訪日着地型観光を事例に,観光地域づくり法人(DMO)による海外プロモーションの展開パターンを明らかにすることにある。このため,全国のDMO を対象にアンケート調査を実施するとともに,DMO 形成・確立計画の検証を行った。その結果,台湾を対象としたDMO による海外プロモーションの展開パターンは,1)台湾の幅広い観光関連組織や観光客を対象としたデジタルプロモーション,2)台湾の特定の観光関連組織を対象としたプロモーション,3)台湾の旅行業者を対象としたプロモーション,以上の3つの活動に集約することができ,その組み合わせはDMO によって大きな差異が生じていることを明らかにした。

  • 冨田 俊幸
    原稿種別: 研究論文
    p. 191-196
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,自然体験型環境学習である霞ヶ浦湖上体験スクールの参加者を対象に環境配慮行動の規定因を多母集団同時分析で調査分析したところ,配置不変性が確認でき,学習前,学習直後,学習1 ヶ月後の集団間に回答傾向に差がないことが明らかになった。すなわち,環境配慮行動の規定因は,環境学習によって変わらないと考えられる。従って,環境学習を実施していない環境配慮行動の規定因の先行研究が,環境学習の内容構成の参考となることを示唆している。環境配慮行動には,環境保全の態度,親近感,価値認知,社会規範評価の影響があった。特に学習直後では,環境保全の態度から環境配慮行動への影響が強く認められた。環境配慮行動を高めるためには,環境保全の態度から環境配慮行動へ影響を高めることが示唆された。

  • 岩見 麻子, 木村 道徳
    原稿種別: 研究論文
    p. 197-202
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,公共的意思決定過程の委員会の議事録に対して会話分析の手法を適用し,委員会における会話の展開を可視化することで議論構造の推移の把握を試みた。淀川水系流域委員会の議事録を対象として分析した結果,同委員会の議論の構造は,まず情報や認識,意見を委員間で共有するものから質疑応答が増え,特に委員会の中盤においてはこれらの直接的な応酬が多くなっていたことが明らかになった。さらに委員会の終盤にかけて引き続き質疑応答が活発であったが,発言をまとめその内容を確認しながら議論が進められたことなど,委員会における議論構造の推移を明らかにすることができた。

  • 里地・里山への意識の検証を通して
    甲野 毅
    原稿種別: 研究論文
    p. 203-208
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究の目的は,オンライン形式による自然体験型授業の効果とその促進要因,また効果に影響する授業の構成要素をそれぞれ明らかにすることである。そこでオンデマンド型を主とするオンライン形式の自然体験型授業を32 名の女子大学生に実施した。その結果,里地・里山への意識と気持ちが向上し,利得感や危機感,有効感などを認識することが意識向上の促進要因であることが示された。さらに動画視聴を通した森林調査の擬似体験と,里地・里山の保全方法を習得できる課題の整理や,有効感や楽しさを認識できる自然素材クラフト工作や運動などの実体験が影響する構成要素であることが明らかになった。

  • 山島 有喜, 山本 清龍, 大竹 芙実
    原稿種別: 研究論文
    p. 209-214
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,日光国立公園奥日光地域の有料と無料の駐車場,低公害バスの3 者の利用者の属性,旅行特性,環境保全基金に対する意識を明らかにすること,基金の地域への適合性と使途,課題について考察することを目的とし,2020 年の7-11 月にアンケート調査を実施した。その結果,991 人の回答者のうち,約9 割が環境保全を目的とする基金の創設に賛成していた。また,公園利用者の9 割以上が車を利用しているという旅行特性を考慮すると,駐車場への料金上乗せが適合すると考えられた。しかし,3 者の利用者間で意識の差異もみられ,基金の必要性に対する理解を求める取り組みも必要と考えられた。

  • 宮内 太郎, 阿部 直也
    原稿種別: 研究論文
    p. 215-220
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    2019 年末に初めて確認された新型コロナウイルスの感染拡大は,世界各国,各地に甚大な影響を与えている。日本においても,この感染拡大による深刻な影響は2021 年5 月時点においても継続・拡大しており,特に観光業が被っている影響は非常に深刻である。本研究では,新型コロナウイルスによって生じた観光業の需要減少が,各産業へ与える負の経済効果を産業連関分析により推定した。対象は北海道,神奈川県,京都府,香川県であり,期間は2020 年4~6 月とした。また国内観光客の需要減少による影響と国外観光客の影響を分けてそれぞれで推計した。推計の結果,影響の状況は対象道府県ごとに特徴があることが分かった。

  • 末廣 拓登, 伊藤 弘, 武 正憲
    原稿種別: 研究論文
    p. 221-226
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,阿蘇くじゅう国立公園の阿蘇地域で実施した環境保全の支払意思額(WTP)のアンケート調査から,CVM 分析を用いて域内での訪問場所および体験と支払意思額の関係を検証した。その結果,飲食購買を目的としている来訪者は,自然資源を意識しておらず観光行動における飲食購買と自然資源が結びついていないことが示唆された。また,山と町両方に訪問している来訪者はWTP が高い傾向にあった。一方で,訪問エリアが町で完結する来訪者は,総じて自然環境への保全意識が低かった。

  • 安原 有紗 , 劉 銘
    原稿種別: 研究論文
    p. 227-232
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,旅行口コミサイト「tripadviser」に投稿された浜離宮恩賜庭園に対する日本語および英語の口コミに対するテキストマイニングを通して,日本人と外国人の訪問体験の共通点, 相違点,評価傾向を明らかにした。その結果,日本人は庭園内の植物や周辺都市に関する固有の名称の記述が多い一方で,外国人は庭園の感じ方に関する形容詞表現が豊かであった。共起関係の分析から,日本人と外国人ともに庭園ボランティアガイドを高く評価しているといった共通点,日本人は外国人観光客の多さが記憶に残り,外国人は日本人以上に当該庭園固有の歴史性に関心を有した可能性があるといった相違点が明らかとなった。

報告
  • 鈴木 颯汰, 上河原 献二
    原稿種別: 報告
    p. 233-238
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    全国の県・市町村において1989 年から2020 年1 月までに,星空保全に直接寄与する34 の条例が制定された(県条例11,市町村条例23)。2000 年までは2 条令であったが,その後急増している。それら全ては関東以南に分布しており,特に県条例は11 条例中10 条例が関西以西であった。全条例中25 条例(県条例11,市町村条例14)は,規制対象にサーチライト・投光器を含んでいた。4 つの条例は,照明等の規制とともに地域振興を目的とするものであった。また30 条例は,制裁規程を有していた(罰金・過料20 条例,公表のみ10 条例)。さいたま市等の大都市圏の市でも星空保全条例が制定されているが,その契機はサーチライト・投光器への苦情であった。

  • 高橋 正弘
    原稿種別: 報告
    p. 239-244
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,対馬市をフィールドに設定して行った,大学生の体験型の4泊5日の環境教育プログラムについて,14 か月後にフォーカス・グループ・インタビューを行ったものを分析したものである。FGI で語られたことを逐語録として整理し,その分析にはSCAT を用いた。プログラムに参加してから14 か月経た後でどのような意識を把持していたかについては,「環境教育実践者としての基本的な能力」「アピールできる特別な体験」「物事を判断する際の多角性」「伝達する側が留意すべき意識の在り方」「適切に整理し発表することができる力」の5点が析出された。

  • 田島 佳征, 畔柳 昭雄
    原稿種別: 報告
    p. 245-249
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    海水浴の人気が衰退傾向を見せ入込客数は減少している.しかし,「海離れ」や「海水浴の人気低迷」が語られる中で,必ずしも人々の海への希求は失われておらず,海浜空間との接し方の変化の表れと捉える事ができる.本研究では,新聞掲載された「海離れ」記事に対して,読者が書き込んだコメント内容を分析することで,海水浴への活動要因(肯定)を見出だす事とした.そのため,言語分析に用いられる形態素解析を用い,語の共起関係を捉えることを試みた結果を示す.

  • ―宮城県仙台市の施設における災害対応マニュアルに着目して―
    石内 鉄平, 渡邊 圭, 橋本 陽介
    原稿種別: 報告
    p. 250-255
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    災害大国であるわが国において,特に災害弱者である障がい者への対策・対応の充実が求められる中,本研究では,障がい者福祉施設を取り巻く法制度および計画を把握するとともに,その責務を果たすための障がい者福祉施設が作成する災害対応マニュアルを調査し,障がい者の避難対策に関する問題点を明らかにすることを目的とする。その結果,災害対応マニュアルの作成に際して,必ずしも防災の専門家が関わっていない現状とそれに伴う施設従事者の不安,加えてマニュアルへの記載が求められている避難経路について,道路勾配など必ずしも障がい者にとって避難可能な計画・経路選択にはなっていない現状が確認された。さらに,障がい者の視点に立った指定・福祉避難所に対する見解を把握することで,障がい者福祉施設が策定する災害対応マニュアルの有効性に対する課題を見出した。

  • 宮坂 加理, 馬場 涼太, 宮坂 隆文, ジャムスラン ウンダルマ
    原稿種別: 報告
    p. 256-261
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    モンゴルでは,近年家畜の増加に伴い草地劣化が問題となっている。本研究の目的はモンゴル草原において家畜の増加に伴う浸透能低下により降雨浸透量がどの程度減少するのか明らかにすることである。調査地は2 つの放牧地(粘土が多い:S1,少ない:S2)と砂丘地(S3)である。 突固めによる締固め試験(JIS A1210)により,家畜が著しく増加した状態を再現した。締固め試験による仕事量は調査地における2012 年の放牧頭数の3.6 倍に相当していた。浸透能を上回る降雨が表面流により全て失われたとすると,年降水量に対する締固め後の浸透量損失の割合はS1 で97%,S2 で13%,S3 で0%であり,粘土の含有量が多いと家畜の踏圧により降雨浸透量が大きく減少することを示した。

  • 淺野 悟史, 時任 美乃理, 西前 出
    原稿種別: 報告
    p. 262-267
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    生物多様性への気候変動の影響が懸念されている。とりわけ日本の高標高地に分布する冷温帯林はその影響を受けやすい地域のひとつである。本研究は主に冷温帯林に棲息するルリクワガタ属昆虫のモニタリングのために,♀個体と衝突板トラップ(FIT)を用いた定量調査法を検討した。従来の新芽掬い取り法と比較して効率的な捕獲が可能であり,FIT を掛ける位置による影響も小さいと考えられた。一方で,使用する♀は未交尾個体が望ましく,また系統の遠い種に対しては誘引効果を発揮しないことが示唆された。FIT の数や時間などを用いた定量調査が期待できる。

  • 秋田沖を例に
    小林 正典
    原稿種別: 報告
    p. 268-273
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    気候変動対策として温室効果ガス排出の抑制と再生可能なエネルギー供給の推進に向け、我が国では2018 年に再エネ海域利用法が制定された。洋上風力発電の事業化支援に向け、洋上空間の長期占有が認められ、指定された推進区域では協議会を通じて利害調整が進められている。本研究では、文献調査や聞き取りを通じて、洋上風力発電に関連するステークホルダーの利害関係の構図化とその分析を行った。ステークホルダーの多様性に対し、法規上の協議会の構成は限定的で包摂性が乏しいと考えられた。民間企業としての分類される事業者の利害は一様ではなく、製造、組立、施行、管理、投融資など多様な事業形態があり、本社や株主の所在地なども多様でありうることが分かった。こうした多様性に留意したステークホルダー分析を踏まえ、参加型合意形成と持続可能な海洋経済を通じた地域社会の利益の増進に資する制度的発展を進めることが肝要である。

  • 岩手県久慈市を事例に
    丸山 智也, 竹内 彩乃, 杉浦 英世
    原稿種別: 報告
    p. 274-279
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,第一に,木質バイオマスボイラー導入促進において求められる地域が持つ特性(地域特性)および地域の企業が持つ特性(企業特性)の項目を整理した。第二に,岩手県久慈市の久慈バイオマスエネルギー株式会社が行う木質バイオマス熱供給事業を対象に,文献調査や,関係者へのヒアリング調査を行い,各特性の項目に該当するか整理した。その結果から,本事例の特徴,市におけるWBB の面的導入に資する提案を行った。

  • 松本 美紀, 松本 貴志, 木場 和義
    原稿種別: 報告
    p. 280-285
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    日常生活における省エネ行動を促進する啓発事業が全国で展開されているが,ライフスタイルへの省エネ行動の定着は難しい。本調査では,省エネ行動の啓発とその定着を目的とし,大学生を対象とした質問紙調査を用いて,臨床心理学の技法を導入した解決志向による啓発を実践し,その効果を検証した。その結果,日常生活で実践できていない省エネ行動に対し,どうすればできるようになるのか,という解決像を具体化することで,啓発後の省エネ行動を実施するようになった。解決に焦点をあてた新たな啓発手法として有効であることがわかった。

  • 加藤 麻理子
    原稿種別: 報告
    p. 286-291
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    自然資源の管理における利用者負担について,登山利用の管理の担い手の一つである山小屋の役割と利用者意識に着目し,長野県内の山岳地域を対象とした文献調査,ヒアリング,アンケートを行った。2020 年はコロナ対策の影響も受けて登山利用が減少し,予約制等は肯定的に受け止められ,利用者負担の賛同意識は高かった。利用者の積極的な関与の意識は重要であり,地域関係者も現場管理の担い手の役割を明確にし,利用者負担の収受金を適切な管理主体の活動に充当させていくことが重要である。利用者も自然資源管理の関係者の一員として位置付け,地域の資源の特性や利用者ニーズを踏まえた管理を進展させることが今後求められる。

  • 陣内 綾, 山口 創
    原稿種別: 報告
    p. 292-297
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    自然保全活動における人材確保の実態と課題を明らかにするため,国立公園である大山の保全活動を行う「大山の頂上を保護する会」を事例に,人材確保の仕組みを分析した。インタビュー調査の結果,保全活動を担う人材は,計画策定や保全手法の改善に取り組む中心的人材と一般参加者に分類でき,中心的人材のなかでも数名のリーダーが,自身の所属組織や関係の深い組織から必要な人材を確保していること,一般参加者は,保護する会の会員企業や一般ボランティアから参加者を募る仕組みが整えられていることが明らかになった。また,今後,会員組織の減少に起因し中心的人材の確保が困難になりつつあることが示された。

  • 下嶋 聖, 前田 航希, 町田 怜子, 朴 鍾杰, 土屋 薫
    原稿種別: 報告
    p. 298-303
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/11/29
    会議録・要旨集 フリー

    健康志向や自然志向の高まりから,里山景観の中を歩くことができるフットパスでは,中高年層の利用需要が増している。里山はなだらかな丘陵地に広がるため,分岐点で道迷いが発生しやすく利用者自身の読図力が求められる。本研究では,東京都町田市に位置する多摩丘陵フットパスを対象に,AR 技術とナビゲーション機能を融合したフットパスのセルフガイドアプリを開発した。中高年層32 名に,開発したアプリと従来の紙地図による案内地図との評価を比較するアンケート調査を行った結果,被験者の地図利用に対する感情,経験などの個人属性との関係性から,開発したアプリの有効性を確認した。

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