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都市域での環境問題の一つにヒートアイランドなど都市化にともなう熱環境変化がある。この原因の一つは都市域でのエネルギー使用にともなう排熱によるものであるが、おもな原因は都市化により植生域が減少したことである。植生葉面からの蒸散作用は気温調節に影響を与える大きな要素で、植生域の減少が都市気温に大きく関係する。このような熱環境の緩和に東京都では2001年からある大きさ以上のビル屋上の緑化を義務づけている。この論文は丸の内などオフィス街や住宅地域上空からの映像を用い、それぞれの地域での屋上緑化可能面積の推定をおこない、また都市域で最も多くの面積をしめる一般住宅の屋根を緑化した場合の影響についても実験により検討している。